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以下は、元岐阜新聞記者で、岐阜県日中友好協会理事長の土屋康夫さんがフェイスブックに書いてくれた記事です。


みなさんのあたたかさ、情熱に感動しています。

富加公演、がんばります。





交わらなくても心は響きあう

中国の楽器「二胡」をご存じだろうか。中央アジアで9世紀頃、生まれた擦弦楽器は、シルクロードを伝って洋の東西で二胡とバイオリンになった。二胡は中国大陸から日本にも伝わり、2本の弦が紡ぐ繊細な音色は日本人の皮膚感覚に合う。

プロの二胡奏者で名古屋を拠点に広く活動する張濱(チャン・ビン)が、ある女性の願いに応え、今月31日、岐阜県加茂郡富加町滝田のタウンホールとみかで演奏会を開く。

張濱の心を動かしたのは、岐阜県関市在住の73歳になる井上幸子さんである。

井上さんは6年ほど前、病魔に侵され、幸い手術は成功したが、病床では「いつまで生きられるのだろうか」と不安にさいなまれた。しかし生かされたことに感謝しようと、気持ちを切り替えた。張濱の奏でる二胡をもう一度聞きたくなった。

張濱の演奏会を知った井上さんは、愛知県がんセンターを抜け出し、会場に駆け付けた。二胡の音色は、井上さんの心を癒し、命の泉がわき出てくるようだった。いつか張濱の演奏会を地元で開き、たくさんの人に聴いてほしいと思った。生きる力を与えてくれた張濱へのお礼にもなるからだ。

井上さんは手術から5年が経過した昨年末、夢の実現に打って出た。たった一人でタウンホールとみか(約600席)を予約、張濱音楽事務所に足を運んだ。誰もが「無謀」と思ったが、張濱は「井上さんを一人にさせない」と周囲を制した。

その訳は20年前にさかのぼる。関市のゴルフ場主催のディナーショーで「月の砂漠」を演奏したとき、二胡は初めてというお客さんが大半だったが、音色に涙する人が多かった。井上さんもその一人だった。

「どうして日本人は涙したのか。中国ではありえない」と不思議に思った張濱だった。だが、来日して日の浅い、おぼつかない日本語では問いかけるのは無理だったようだ。しかし、二胡は国や人種を越え、感動させることができる楽器だとわかった。

「二胡の弦はそれぞれ独立していて決して交わることはないが、響きあうことはできる」。日中関係がぎくしゃくしている今だからこそ、張濱は初心に帰ってみよう、と決意し、井上さんの申し出を承諾した。大勢の人の笑顔でタウンホールとみかがいっぱいになることを願わずにいられない。

富加公演は、13時半開場、14時開演。全席指定4000円。チケットの申し込み・問い合わせはチャン・ビン企画(電話052-763-1082)、チケットぴあスポット、サークルKサンクス、セブン・イレブン各店で。http://www2.odn.ne.jp/zhangbin/




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【 張濱二胡音楽会2015 】


 5月31日(日)富加公演(岐阜県加茂郡)

 8月23日(日)豊橋公演

10月17日(土)津公演

11月21日(土)羽島公演


全公演 全席指定4,000円 共通Pコード255-214

お問合せ 052-763-1082