愛知県内版に掲載していただいたようです。
写真をメールで送ってくれて、ありがとう!
いま、ちょうど、みんな南京に到着したところです。
あとで、写真を載せます。

 

2012年7月13日 -
南京に友好の調べを 名古屋の二胡グループ

中国の伝統的な楽器「二胡(にこ)」を愛好する名古屋市千種区の音楽グループが十五日、中国・南京で演奏会を開く。日中関係は、歴史認識や外交で緊張しがち。国交正常化の四十周年の節目に、音楽で現地の人たちの心をつかむ。

 出演するのは、中国出身の二胡演奏家、張濱(チャンビン)さん(44)=同区=が率いる演奏団。張さんは一九九二年に来日し、名古屋芸術大や愛知県立芸術大で作曲などを学んだ。愛知大の学生に二胡を指導したのが縁で輪が広がった。団員は小学生から七十代まで百人に上り、「日本人が中国の楽器を愛してくれることに感動する」と喜ぶ。

 二胡は二本の弦を弓で弾き、ピアノの鍵盤のような目印はない。幼少からピアノを弾く同市緑区の短大講師寺島量子さん(56)は、二胡の演奏を始めて十一年になった。「演奏する人によって出る音が違う。奥が深い」。音の出し方は、練習を積み、感覚で覚えるしかない。「最初は弓を道具と思っていたが、今では体の一部のように感じる」と話す。

 張さんの演奏団は、これまで北京や上海など各地で、演奏会を重ねた。中国では二胡は、プロがソロで演奏することがほとんど。愛好家が、しかもグループで奏でるのは、珍しい。現地の聴衆は、自分たちの伝統的な楽器を日本人が使いこなす姿に驚き、涙も流して聞き入るという。

 南京大虐殺についての名古屋市の河村たかし市長の発言は、物議を醸した。張さんは「平和で安定した生活を送りたい。自分を育ててくれた名古屋の印象が悪くなるのは悲しい」と打ち明ける。

 やさしい音色の二胡は、日本の唱歌と相性がいい。当日は、日本を代表する曲「故郷」や中国の民謡を披露する。

 演奏団員で同市北区の福井喜勝さん(70)は「一つの側面だけにこだわっていると、お互いに背中を向けてしまう。政治抜きで、両国の曲を通じ、音楽で友好を深めたい」と望んでいる。

 (丸田稔之)