よくお邪魔する和食屋さんで、ワイン会が開催されたので参加した。
参加者は5人だったが、一人が残念ながら飲めない状況で、4人で計8本のワインを飲んだ。
一人平均2本ということになるが、私は3本分くらい飲んだかもしれない。
非常に印象的なワインもあったので、備忘録を記載する。

まずは、食前酒の泡でチャコりのロゼスパークリング。
瓶内二次発酵の口当たりで、辛口の食前酒にふさわしいロゼで、独特のミネラル感がありどことなくプロヴァンスのロゼを彷彿させる。
【Good Verygood!!!】

今回はギリシャ帰りの方がいらして、お土産にギリシャはサントリーニ島のワインをご持参頂いた。
サントリーニは試飲会では飲むことがあるが、じっくり食事に合わせたのは初めて。

こちらは樽の効いたタイプで地ブドウであるアシルティコ中心のブレンドだという。
塩味とミネラル感のある海の酒という印象で、魚介中心の優秀な食中酒。
今まで飲んだワインではソアヴェが一番近い印象だった。

【Verygood!!】

サントリーニの二本目はドメーヌ・シガラスという作り手のアシルティコで、これは樽が効いていないビュアなブドウのよさが味わえるタイプ。
ものすごく気に入った素晴らしいワインで、この日飲んだワインのなかで一番好みだった。
聞けば、この作り手がアシルティコの魅力を世界に知らしめたらしく、さもありなんと感じた。
オリーブオイルとレモンを使ったタコとカマスの和風カルパッチョに絶妙なマリアージュを見せていた。
それほど高くないし、魚介には素晴らしく合う。
このワインを知ることができて、ありがたいと感じるワインだった。

【Verygood/Excellent!!】

ここからはブラインド。
2012年前後のマコンっぽい印象のほんのり甘くライトなシャルドネ。
5~10%はアリゴテが使われているような青みもあった。

正解はルー・デュモンのブルゴーニュ キュヴェ・ファミーユの2011ヴィンテージ。
この格のワインが、時間に負けずにきれいに熟成をするのは意外な印象で、十分に楽しめた。

【Verygood!】

これまたブラインドで、少しの甘さが美しいアロマティックな白ワイン。
2005年前後のモーゼルのリースリングかと思ったが、ペトロールは強くない。
少しの緑感からアルザスのブレンドと予想。

正解はオーストリアのグリューナー・ヴェルトリーナーで、思っているより甘味があった。
以前はこういうワインだったが、最近はドライで辛口になっていて、ふくよかさに欠け鋭さが増しているという。
グリューナー・ヴェルトリーナーの違う魅力を知ることができたワイン。

【Verygood!!!】

ここからは赤に突入。
明らかに枯れて下り坂に入った熟成ワイン。
タニックだった名残は少しで、熟成したハムのような香りやドライトマトのようなニュアンスがある。
おそらく50年ぐらい経ったイタリアのワインだが、ブドウ品種はもはや分からない。
ネッビオーロよりはブルネッロに近い印象。

正解はバローロの1973ヴィンテージ。
ボルドーとは明らかに違うニュアンスだったが、やはりイタリアでバローロ。
さすがに50年もつワインは限られるということだろう。
枯れてはいるが熟成ワイン好きには響くワイン。

【Verygood!!!!】

これまた熟成した赤ワインだが、イタリアの後にでてきたからか、明らかにボルドーのニュアンス。
80年代頭の強いヴィンテージの左岸の格付けワインの印象。
強めのタンニンは健在で少しコルク臭もあり、パイナップルの葉のような青みがある。

正解はペデスクローの1974ヴィンテージ。
さすがにポイヤックの格付けワインだけに長命。
バローロと1年違いとは思えない骨格だったが、味的にはバローロの方が好みだった。

【Verygood!!!】

最後はこれまたボルドーっぽい赤。
年代的には86~88位の印象で、堅牢なタンニンがサン・テミリオンのよう。
濃い口のメルロで右岸でなかろうかということ意外、分からなかった。

正解はポムロールのプティヴィラージュの1993ヴィンテージで、30年と50年だと熟成はかなり違う。
並べて飲むと気付きがあるワインだった。

【Verygood!!】

食事もおいしく、意図的に合わせたわけではなかったが、素晴らしいワイン会だった。
シガラスのワインは買って家でも飲んでみようと思う。