白ワインの三大品種といえば、シャルドネ、リースリング、そしてソーヴィニヨン・ブランだ。
ソーヴィニヨン・ブランは、青っぼさやハーブのような香りを持つ、アロマティックな品種だ。
冷涼な地域だと酸と青みが強くなるが、暖かい地域だとトロピカルフレーバーを持つ傾向が強くなる。
発祥とされるのはフランスのボルドーで、セミヨンとブレンドされたボルドーのソーヴィニヨン・ブランは、高級ワインの代名詞だ。
また甘口ワインにも使われ、ボルドー内の一地区であるソーテルヌでは、ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンを使った貴腐ワインが作られる。
これまた、長期熟成が可能な高級ワインで、ソーテルヌを代表するシャトー・ディケムは、マニア垂涎のワインだ。
そしてフランスでボルドーと同様、ソーヴィニヨン・ブランの代表的な銘醸地といえば、ロワールだろう。
ボルドーと違い、ソーヴィニヨン・ブラン100%で作られることが多く、サンセールやプイィ・フュメといった地区がよく知られる。
冷やしたソーヴィニヨン・ブランは夏に飲む印象が強いが、刺身や寿司に合うワインとしても知られ、冬に飲むのもいい。
ある日、仕事帰りにチーズを買ってきたら、今日の夕食は刺身だという。
それならばソーヴィニヨン・ブランを飲もうか、と開けたのが、このアンリ・ブルジョワのプティ・ブルジョワ2022ヴィンテージだ。
アンリ・ブルジョワは、ロワールのサンセールで10代300年続く老舗の生産者だ。
サンセールの単一畑で作るトップキュヴェは、その土地や気候の特徴を表現した、素晴らしいワインとして知られる。
私もサンセール・ダンタンなど、アンリ・ブルジョワのワインで、サンセールの魅力にハマってしまった。
しかしお値段もそれなりにするため、今日はソーヴィニヨン・ブランを開けようかな?程度の時には、なかなか使いづらい。
しかし、アンリ・ブルジョワは低価格のテーブルワインも作っていて、このプティ・ブルジョワはそれにあたる。
私が買った値段は税前1,690円で、それでいてアンリ・ブルジョワのよさが味わえるお買い得キュヴェだ。
ボルドーのソーヴィニヨン・ブランは、ベリー・ブラザーズ&ラッドのグッド・オーディナリー・ホワイト。
そして、サンセールのソーヴィニヨン・ブランはプティ・ブルジョワというのが、うちのソーヴィニヨン・ブランのデイリー・ユースの定番となっている。
セパージュはソーヴィニヨン・ブラン100%で、スクリュー・キャップで扱いやすいのもいいし、和洋の食材が混在するうちでの夕食に幅広く寄り添うのもいい。
そのプティ・ブルジョワの2022ヴィンテージを自宅で開栓し、飲んでみた。
なお、輸入元はJALUXで、グラスは無銘の大ぶりな白ワイン用グラスを使用した。
【テイスティング】
レモン様の柑橘、さらっとした蜂蜜、石灰のようなミネラル感、ほんのり出汁感。
レモングラスやセージなどのフレッシュなハーブ、パイナップル様のトロピカルフレーバー、細かく挽いたグリーンペッパー、藁。
思ったよりも酸が控えめで、熟した果実感も薄い。
しかし、ミネラル感が強めで出汁っぽく、和食に合わせるならこのくらいの方がクセがなくていい。
サンセールに比べるとスケールは小さく薄口だが、アンリ・ブルジョワのソーヴィニヨン・ブランが気軽に味わえる。
値上がり激しい昨今のワイン事情だが、相変わらず税込でも2,000円を切っているのは嬉しい。