ベリー・ブラザーズ&ラッド(BBR)の試飲会で気に入って仕入れた、バシュレ・モノの白ワイン2種。

先日のACブルゴーニュ格のブルゴーニュ・コート・ドールに引き続き、村名格のサントネイ・ブランを開けた。


サントネイはコート・ド・ボーヌの南端に位置する村名AOCで、その生産の80%をピノ・ノワールでつくる赤ワインが占める。

今まで白は1種しか飲んだことがなかったが、並んでいたシャサーニュ・モンラッシェの6割位の価格なのに、味的には遜色ないと感じた。


サントネイはよく知られた産地ではないため、価格的には安く手に入る。

ましてコート・ド・ボーヌの赤は、白に比べればかなり低くみられている。

シャサーニュ・モンラッシェのワインなのに妙に安いな、とネットで買うと、赤ワインが届くのは初心者あるあるではないか。

シャサーニュ・モンラッシェでも安いので、サントネイの赤は言わずもがなだろう。


しかしサントネイの赤は、私が好きな作り手であるフィリップ・コランもつくっている。

中でも、サントネイのプルミエ・クリュ(一級畑) グラヴィエールが大好きで、愛飲している。

味はもちろんだが、プルミエ・クリュなのに3,000円ちょいで買えるという価格も、大きな魅力だった。


今でも当時高かった店で残っているが、一級畑のピノ・ノワールがいまどき税前4,500円以下で買える。

名前を気にせず、安くて美味しいピノ・ノワールを飲みたい方は、ぜひ試してほしい。


そんなサントネイの、初めて買った白ワインを家で開栓し飲んでみた。

なお、グラスはシュトルツル・ラウジッツのギブリ ボルドー 22ozと、リーデル ヴェリタスのオークド・シャルドネを使用した。

輸入元はベリー・ブラザーズ&ラッドで、ヴィンテージは2020だ。



【テイスティング】

ホワイトグレープフルーツや八朔などの柑橘、そのワタのほろ苦さ、しっかりめの酸、岩を舐めたような硬質なミネラル。

ペパーミント、ほどよい樽のオーク、焼いたオーク由来のバニラ、溶かしたバター。

生ハムのような塩味、ハーバルなニュアンス、グースベリー。

蜜柑のマーマレード、フレッシュなリコッタチーズ、焼き芋の蜜、少しソーヴィニヨン・ブランに出るようなトロピカルフレーバーがある。

余韻には甘いハチミツ、アカシアの花のフローラルさ。


紛れもなくコート・ド・ボーヌの白のニュアンスを持つワインだが、ムルソーともシャサーニュ・モンラッシェとも違う。

強いていうならビュリニィ・モンラッシェに一番近いイメージだが、独特な個性がある。

長熟しそうな堅牢さはないが、逆に早飲みできる柔らかさがある。


サントネイは赤はお気に入りの一級畑グラヴィエールがある村だが、白はほぼ飲んだことがなかった。

しかし、これを飲んでしまうと、シャルドネへの植え替えを望みたくなる。

サン・トーバンやサン・ロマンよりもポテンシャルがあるのではないか。

というよりは、バシュレ・モノがうまく高めているだけなのかもしれない。


私が買った価格は、セラー・プラン会員優待で税前5,600円だった。

この味わいで、ムルソー、シャサーニュ、ピュリニィだと、いまどき軽く1万円近くいくだろう。

ましてやバシュレ・モノは評価の高い生産者だ。


なお、調べてみるとサントネイの白はいくつか日本にも入っていたし、まだ売られていた。

その中にはお気に入りの一級畑、グラヴィエールの白もあり、ユベール・ラミーなどのトップ生産者もつくっている。

ユベール・ラミーはさすがにそれなりに高額だったため、お手頃価格である程度信頼できる生産者のものを2本買った。

ヴィンテージが古めなのもあって、今の相場を考えたら安く買えたので、届いたら試してみようと思う。


味や価格はもちろん、新たな可能性を示してくれたという意味でも、非常にいいワインだった。

サントネイの白にも注目していこう、そう思ったバシュレ・モノのサントネイ・ブランだ。


【Verygood/Excellent!】