先日、ワインレポート代表山本昭彦さんが主催する『サロンの精髄』セミナーを受けてきた。

サロンは120年の歴史の中で44ヴィンテージしか出されていない、至高のブラン・ド・ブランだ。
今回のセミナーでは、その44番目の2013ヴィンテージを筆頭に、姉妹メゾンのドゥラモットの4つのキュヴェを試飲できるという。

1905年、ウジェーヌ・エメ・サロンが自らの自家消費用に、シャンパーニュを作り始めたのがサロンの興りだという。
アッサンブラージュ(ブレンド)するのが一般的なシャンパーニュにおいて、単一区画のブラン・ド・ブランをつくる、というのは画期的だったそうだ。
ちなみに、ブラン・ド・ブランとは白ブドウ(シャルドネ)のみでつくる白シャンパーニュで、サロンがパイオニアらしい。

その後、エメ・サロンの死後は甥が運営していたが、1988年にローラン・ペリエが買収。
同じ年に同じ村から同じ会社に売却されたドゥラモットが、設備やオフィスなどをシェアするため姉妹メゾンと言われる。
サロンは前述したように、最上のシャルドネが収穫された年しかつくられない。
それゆえ、希少で幻ともいわれるシャンパーニュだが、サロンがつくられなかった年のブドウはドゥラモットに使われるという。

今回試飲できたものは以下の5つ。
◼️ドゥラモット ブリュット ノン・ヴィンテージ(NV)
◼️ドゥラモット ブラン・ド・ブラン NV
◼️ドゥラモット ブラン・ド・ブラン 2014 ミレジム
◼️ドゥラモット ロゼ NV
◼️サロン 2013



サロンは一つのキュヴェしかないし、ドゥラモットも4つのキュヴェしかないらしい。
その全てを説明をうけながらテイスティングした。

◼️ドゥラモット ブリュット NV
最初に飲んだブリュットはエントリーキュヴェだ。
以前はセール時に税前で3,000円台で買えたため、よく家で飲んでいた。
今回の白シャンパーニュの中では唯一、ピノ・ノワールとムニエも使っている。
そのため、ドゥラモットである必要があるのか、と言われていたが、今はシャルドネ比率が高まりうまく使っている印象。
個人的にはブレンドの方がよく飲むし、ドゥラモットかどうかはさておき、よくできたシャンパーニュだと思う。
ただし、今の値段なら買う気が起きなくはなっている。
参考価格7,500円(税別)。

【Good/Verygood!!!】

◼️ドゥラモット ブラン・ド・ブラン NV
シャルドネだけでつくる、ブラン・ド・ブランのノンヴィンテージ。
サロンの姉妹を名乗るなら、ブラン・ド・ブランということで実質的なエントリー・キュヴェ。
今やまあまあいい値段で、価格と味わいのバランスはちょっと中途半端だが、良質なシャルドネを味わえる。

参考価格10,000円(税別)

【Verygood!】

◼️ドゥラモット ブラン・ド・ブラン 2014
ミレジム入りのブラン・ド・ブラン。
ミレジムが入っているだけの違いではない、クオリティの明確な差がある。
酸のしっかりした年なのか、熟成させたくなる。
価格は少しあがるが、NVにお金を出すなら個人的には少し足しても断然こちら。
好きなヴィンテージ2012はまだ売っているし買おうか検討。

参考価格14,000円(税別)
【Verygood!!!!】

◼️ドゥラモット ロゼ NV
ピノ・ノワール80%のロゼ。
個人的にはこれこそドゥラモットである必要があるのかと思う。
だが、辛口で20%しかないシャルドネが利いているチャーミングなロゼ。
しかし、価格はかわいくない。。。

参考価格12,000円(税別)
【Verygood!!】

◼️サロン 2013
どれが一番おいしかったですか?と聞かれて、笑いが起きるぐらい圧倒的な差があった。
偉大なヴィンテージとは少し違うと言われたが、それはどのくらい熟成するかの差と、ヴィンテージによる個性だろう。
10月に収穫した最後のヴィンテージで、最後のクラシックなスタイル。
収穫の時点で60パーセントはサロンを仕込めるという予感があったらしい。
独特のミネラル感とナッティさがすごい。
値段がものすごく高いが、モンラッシェもあがっているしやむを得ないかとも思う。
出会えて良かったすごいワイン。

参考価格 160,000円(税別)
【Excellent!!!】

なかなか飲む機会がない憧れのシャンパーニュ、サロンをドゥラモットと比較しながら飲めるという、素晴らしいセミナーだった。
熟成したものをいつか飲んでみたい。