安ウマブルゴーニュとして、赤の広域ブルゴーニュを紹介したベルトラン・アンプロワーズ。


この作り手はプリモー・プリセに拠点を置き、元々はネゴシアンだったらしい。

しかし今や所有する畑は、ブルゴーニュのグラン・クリュ(特級畑)にまで及ぷ。

現在ラインナップのほぼ全てが自社畑で造られたワイン、つまりドメーヌものということだ。


ACブルゴーニュの赤は安くてうまいが、白も例外ではない。

この白は私が以前試飲したときに、クオリティの高さとそれに反する低価格に驚いたワインだ。

それから時は流れ、ブルゴーニュのワインの価格は高騰著しい。

そんな中で、2020ヴィンテージのブルゴーニュ  コート・ドール ブランは、ネットのワインショップに税前2,500円を切っているのがまだ残っている。


今やブルゴーニュのシャルドネは、広域ブルゴーニュ表記やコートドール表記でも5,000円をこえることが珍しくない。

その価格と比較すると約半値ということになる。


2021年ヴィンテージは少し上がっていたが、最新ヴィンテージを試してみようと2本買った。

ちなみに、ブルゴーニュ、コート・ドールは2017年からワインが出始めた新しいAOC(原産地呼称)だ。


広域ブルゴーニュと村名の間に位置するAOCで、広域ブルゴーニュよりは使われるブドウのとれる地域の範囲が狭い。

すなわち、コート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌのブドウを使うので、より地方の特色が出る。

しかし、もともとその地域の畑しか持たないドメーヌだと、今までのブルゴーニュ表記でもかわりはない気がする。


まだ出始めたばかりなので、これから何か変化が出てくるのかもしれない。

その動向は見守っていきたいと思う。


そのコート・ドール表記のアンブロワーズのブルゴーニュ・ブランを自宅で開栓し、飲んでみた。

なお、輸入元はラック・コーポレーションの世紀輸入品。

グラスは無銘だが愛用している大きめなホワイトワイン用グラスを使用した。


【テイスティング】

ホワイトグレープフルーツやレモンの柑橘、そのワタのほろ苦さ、蜜柑の缶詰のシロップ。

バター、ハチミツ、アカシアの花、しっかりとしたミネラル感。

さつま芋のような甘味、キシキシする酸がしっかりある。

少し浮いたアルコール感はあるし複雑さはないが、華やかで美しいブルゴーニュのシャルドネが味わえる。


ニュイ・サン・ジョルジュの白をポートフォリオに持つが、味わい的にはニュイのシャルドネというより、コート・ド・ボーヌのシャルドネという印象。
2,500円弱でこのワインが手に入るなら、安いチリやアルゼンチンのシャルドネを試そうとしなくてもいいクオリティ。

熟成させるワインではなく、フレッシュな状態を楽しむワイン。
年によってそこまで劇的に変わる印象はないため、ずっと安いなら新しいヴィンテージを買って飲めばいいと思う。
しかし、いつまでこの値段で買えるかわからないので、2,500円を切っている2020ヴィンテージをまとめて買うのはありだろう。

だんだん減ってきた税前2,500円以下で買えるブルゴーニュらしいシャルドネのワイン。
その最後の砦ともいえる、安ウマブルゴーニュ・ブランだ。

【Good/Verygood!!!!】