先日、スプリングバンクで抽選販売された2023年秋のテイスティングパック。
抽選だったが幸運にも当選し、手元に届いていた。
なお、抽選はスプリングバンクの公式ファンクラブである、スプリングバンク・ソサエティのメンバーなら参加できる。
また、昨日スプリングバンクから2月17日に東京で開催される、ソサエティ・テイスティング会の案内メールが届いていた。
現地にはなかなか足を運ぶのが難しいので、すぐにチケットを買った。
こういう企画をやってくれるのはとても嬉しいし、今から楽しみにしている。
その前にテイスティングパックの中に入っていた、2023年ボトリングのスプリングバンク21年と、ロングロウ21年を飲んでみた。
2つは同じスプリングバンク蒸溜所でつくられる、シングルモルトウイスキーだ。
違いは、片や3回蒸蒸溜と2回蒸溜をミックスしている、2.5回蒸溜でライトピートのスプリングバンク。
片や2回蒸溜で、ヘビーピート麦芽でつくるロングロウ、という点だ。
20mlという少量のため、テイスティングではなくインプレッションという形にはなるが、それぞれの味わいを記載する。
◼️ロングロウ21年
先に飲んだのがこちら。
2023年はシェリー樽65%、バーボン樽35%というセパージュだ。
【インプレッション】
強い潮の香り、ほんのりざらっとした硫黄、甘いミルクチョコレート、黒ブドウの皮のタンニン、ウニの瓶詰め。
ミルクティー、モルティな甘い麦、ドライな麦が変化したリースリング。
オイリーなテクスチャー、牡蠣のスモーク、ピートの苦味、余韻に少しブルーベリー。
【Verygood!!!】
熟成による丸みが出ているロンクロウで、口に広がるウニや牡蠣感がすごい。
その中にシェリー樽由来であろう黒ブドウの皮とブルーベリー、バーボン樽由来であろうミルクティー感が混ざり合う。
気に入ってたくさん買った近しいヴィンテージとおぼしき、2021年詰めの18年熟成と比べて飲んでみた。
それと比べると、セパージュは近いが、ワイルドさがおさえ目で非常に滑らかで雑味も少ない。
癖のあるシェリー感も弱めな分、経年変化による驚きは少ないかもしれないが、しみじみ旨い酒だといえる。
日本正規輸入品の案内が来たため1本注文したが、少し時間をおいた後開けるのが楽しみなウイスキーだ。
◼️スプリングバンク21年
こちらは2023年詰めは、バーボン樽45%、シェリー樽20%、ラム樽20%、ポート樽15%というセパージュ。
【インプレッション】
ミルクキャラメル、オレンジ系の柑橘やその皮、海辺の風のような潮感、甘くクリーミーなテクスチャー。
ドライパイナップル、蜂蜜をかけた塩パン、ライトなスモーク、非常に噛み応えがある。
キャラメリゼしたヘーゼルナッツ、龍角散っぽいスパイスの苦味、ほんのりと砂糖漬けのドライマンゴー、滑らかで延びが良い。
【Verygood!!!】
ロングロウ21年に比べてかなりフルーティーに振れているし、ピートスモークはおさえ目。
パイナップルやドライマンゴー感はバーボンやラム樽がもたらしているのだろうか。
これも経年による変化をみてみたいが、おそらく高額になるので買えないのが残念だ。
尖った個性のロングロウに比べると、キャンベルタウンらしさがありながら、幅広いファン層にアピールする力を持つウイスキー。
昨今、きれいな作りだが没個性的なウイスキーが増えている印象がある。
それと比べるとスプリングバンクは個性的で、昔から変わらない味わいを維持している。
島国であるスコットランドを代表する、磯の香りの満ちたハンドクラフトのウイスキー。
フェイバリットな蒸溜所でもあるし、やはりスプリングバンクとロングロウはモルトウイスキー屈指の銘酒だ。