ピノ・ノワールでつくるブルゴーニュの赤ワインは今やかなり高い。
そう考えると、このワインは今どき貴重な安うまブルゴーニュだ。
ブルゴーニュの中でも人気が高い、コート・ド・ニュイ地区に位置するニュイ・サン・ジョルジュ村内の区画だという。
その地域の畑だが、格が広域ブルゴーニュになるのだろう、AOCはブルゴーニュになっている。
また、ラベルにはメゾンと書かれているが、今や自社のブドウでこのワインを作っている。
つまりドメーヌのワインということだ。
それが2年前は税前2,500円を切っていた。
今は様々な要因でだいぶ上がってしまったが、税前3,300円強で買える。
ブルゴーニュ・ルージュといえば、人気生産者だと5,000円は軽く越える。
なので、今となっては安いと思う。
それがベルトラン・アンブロワーズのブルゴーニュ・ルージュだ。
この作り手は、ニュイ・サン・ジョルジュに隣接するプリモー・プリセ村に拠点をおく。
このワインはプリモー・プリセとニュイ・サン・ジョルジュのブドウを使っているという。
つまり、ドメーヌの本拠地のブドウで作っているという事だ。
また、アンブロワーズのブルゴーニュには2種類あり、一つがブルゴーニュ・コート・ドール・ルージュ。
そして、もう一つがこの樹齢が50年という古木から収穫される、ヴィエイユ・ヴィーニュだ。
両者の説明を読むと、同じ地域で若木か古木かの違いのように見える。
それだとして、両者にはそれほど価格差はない。
そうすると古木の方が味わいが複雑なイメージがあるため、2021ヴィンテージのヴィエイユ・ヴィーニュを2本、コート・ドールを1本買った。
余談だが、ブルゴーニュ オート・コート・ド・ニュイという、ちょっとはずれた区画のブドウを使うものもある。
しかし、私の場合はできるだけ本拠地の方を買うようにしている。
そのため、今回はそれの購入は見送った。
2本買ったうちの一本を開栓したため、テイスティングを記載する。
なお、到着後数日で開栓、グラスはリーデルのヴィノムのピノ・ノワールを使用した。
【テイスティング】
しっかりめの炭っぽいタンニン、熟したイチゴを煮詰めたジャム、ダークチェリー。
果実の色は赤よりも黒に近いが、ピノ・ノワールらしいベリー感が味わえる。
骨格がしっかりしていて男性的。
ローズヒップティー、華やかでフローラル、しっとりとした黒土、ほんのりキノコ。
樽由来と思われるタニックな苦味が少しあるが、ビュアな果実味が味わえる。
5年くらいの熟成には耐えられそうで、もう一本は半年くらいは置いて開けたい。
ニュイ・サン・ジョルジュの区画と聞いているからか、骨格やアタックも強めのニュイ・サン・ジョルジュっぽい味。
村名格ほどは個性が強くないが、ブラインドでもブルゴーニュのピノ・ノワールというだろう。
手頃にブルゴーニュのピノ・ノワールが味わえるコストパフォーマンスの高いワイン。
村名に匹敵するとまではいえないが、気軽に家でも開けられるブルゴーニュのピノ・ノワールだ。