1698年創業の英国のワイン&スピリッツ商ベリー・ブラザーズ&ラッド(BBR)。

英王室のエリザベス2世とチャールズ皇太子から、王室御用達の勅許状(ロイヤルワラント)を授けられている名門だ。

現在のラベルは二つのワラントが並んでいるが、女王の崩御に伴い来年には変更されるようだ。

プリンス・オブ・ウェールズとなったウィリアム皇太子からも、ロイヤルワラントを賜る事になりそうだと聞く。

今後のラベルは、チャールズ3世とウィリアム皇太子の二つのワラントが並ぶのだろうか。


そのBBRは、2023年に創業325周年を迎え、周年ボトルをいくつか出しているようだ。

以前シャンパーニュのポル・ロジェがマグナムのスペシャルキュヴェを出していて、それは1本だけ購入した。


そして、デイリー飲みに出された325周年記念ボトルが、このグッド・オーディナリー・クラレット(GOC)だ。

GOCはボルドーのネコシアン、ドゥルテに委託しているBBRのベストセラーワインだ。

今年のものは、325周年のスペシャルラベルでボトリングされている。

2020というボルドーのビッグヴィンテージで、メルローが主体で、カベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランを加えたボルドー・ブレンドだという。

ラベルは拠点をロンドンに置くアーティストの作品で、セントジェームズストリートのBBRのオフィスがモチーフになっている。


先日、セラープラン加入者向けの試飲販売会で提供されていた。

20種類以上のワインを飲んだが、価格と味わい的に使い勝手が良さそうで一番気に入ったため1ケース(12本)注文した。

その日限りの特別価格だったが、税前2,000円という価格で売られていた。

その価格帯のワインとは思えない、素晴らしいボルドーでBBRの心意気を感じる。

すぐに飲んでも楽しめるし、多少なら熟成もさせられそうなワインだ。


それが届いたので自宅で改めて飲んで、テイスティングを記載する。


【テイスティング】

ダークチェリー、カシスや巨峰などの酸味の乗った黒っぽい果実味、みずみずしいフレッシュな果実味はカベルネ・フラン由来か。

果皮っぽいしっかりめだが柔らかいタンニン、海の風やヨード感、なめらかな生キャラメル。

樹脂っぽいニュアンス、ミルクチョコレート、ルバーブ。


12本買ったが早くも2本目を空けた。

ネットショップで買うとさすがにもう少しするが、試飲した印象と変わらず、税前2,000円のワインと思えないクオリティだ。

複雑さがあるというよりガブ飲みもできるワインで、食事にも合わせやすい。

名門BBRがこれからの寒い季節、気軽に楽しんでほしいという想いが現れていると思う。


なお、BBRのベリーズ・ボルドーは、1ランク上のエクストラ・オーディナリー・クラレットというキュヴェがある。

普段は個人的にはそちらの方が好きで、そちらを選びがちだ。

しかし325周年だけあって、このGOCは本当にいい仕上がりだと思う。

既に飲み頃に仕上がっているため、この冬気軽に飲んで325周年を祝いたい。


【Verygood!!/Congratulations!!!】