来月開催される馴染みの店のワイン会は、いつもと趣向を変えて3,000円以下で買えるベストだと思うワインを持ち寄ろうか、ということになった。


世の中にはおいしいお酒は数多くあるし、その酒の評価をするのに市場価格は差し置いた方がいいという意見もあるだろう。

しかし、私のように日常的に大量にお酒を飲む人にとっては値段はやはり重要で、繰り返し飲むものはかけた対価以上の味わいだと感じたものになる。

いくらまでの価格をデイリーワインと呼ぶかは人にとって異なると思うが、2,000円以下だとたいていの人はデイリーユースに使えるのではないかと思う。


私の中では白の2,000円以下ならダントツでこのワインというのがあって、昨今のワイン価格高騰の中でもそれを維持しているという驚異的なワインだといえる。

それがイタリアはプーリアの協同組合、サン・マルツァーノがつくるこのエッダだ。


2,000円以下でありながら、イタリアのワインガイド『ルカ・マロー二』で満点99点を3年連続で獲得したのをはじめ、世界中で軒並み好評価を受けている。

私も家でゲストに振る舞ったワインの中で、あの後買って家でも飲んだと言われることが一番多いのではないかと思う。

特に女性からの評価が高い印象がある。


ブドウ品質はシャルドネが60%ともっとも多い割合を占め、フィアーノ・ミニュトーロ20%、モスカートが20%だという。

しかし、アロマティックでフローラル、フルーティーでグラスにも寄るが、はじめて飲んだときはシャルドネがそれほど多いとは感じられなかった。

どちらかという初夏から夏向きのワインという印象で、前菜から魚や鶏肉などの料理、ジェノベーゼのパスタやクリーム系の料理にも合う。

暑くなってきたので久しぶりに購入して開栓したものをテイスティングしてみた。


【テイスティング】

フローラルな白い花の花束、メロンや洋ナシ、マスカット、ライチ、白桃などの多彩な果実味。

フレッシュチーズのようなコク、骨格はしっかりしていて、樽由来のホワイトペッパー様のスパイシーさも感じるが、ウッディさは強くはない。

フルーツポンチのシロップのとろっとした甘さ、酸と甘さのバランスが良く、コクがあり結構こってりしている。


華やかさがすごいし、とにかくアロマティックでフルーティー。

少し香り高すぎて、あまり頻繁に飲むと飽きが来てしまうが、初夏に冷やして飲むのにふさわしく、冷やしてもアロマティックさが損なわれない。

しかも、このクオリティで税込2,000円を切っていて、いろんな店で売っているため買いやすいという怪物ワインだと思う。

3,000円まで価格帯を広げると他にもいいワインがたくさん出てくるが、2,000円以下の白でこれを越えるワインはなかなかないのではないか。


ウイスキーloverに勧めるとしたら、華やかなバーボン樽系で香りの強いスペイサイドが好きな人はハマるだろう。

最近のアランにも通じるようなライトな味わいなので、ライト嗜好でわかりやすさを求める層にはぜひ試してほしい。

なにせ、Barでの今どきのウイスキーのハーフショットの値段で750mlたっぷり楽しめるし、日を分けても楽しめるのがいい点だろう。


これをイタリアから運んで2,000円以下で売るって、今どきの相場だと何か間違っている気がする。

かつてグレンリベットの12年が極東の島国で2,000円で売られていたときもそう思ったが、同様に思える超ハイコストパフォーマンスのデイリーワインだ。


【Verygood!!】