スコットランド最北の蒸溜所、ハイランドパークがあることでしられるオークニー諸島のメインランド島。

そのメインランド島にある、スキャパ湾を見下ろすように建つもう一つの蒸溜所がスキャパです。

創業はハイランドパークの1798年から87年後の1885年で、ブレンデッドウイスキー、バランタインを支える重要な原酒『魔法の七柱』の一つに数えられる蒸溜所。

ハイランドパークがシェリーカスクによる熟成が中心なのに対して、スキャパはバーボンカスクによる熟成が中心で、シェリーカスク熟成のスキャパは珍しいといえます。

現在のオーナーはペルノリカールで、ハイラムウォーカー時代に実験的に作られたローモンドスチルという円筒形のスチルが初溜釜として使用されています。
 
スペイサイドのミルトンダフ蒸溜所で、モストウィーをつくっていたローモンドスチルが移設されたものだそうです。

このボトルはそんなスキャパのボトラーもので、エルギン近郊にある高級食料品店に端を発した老舗インディペンデントボトラー、ゴードン&マクファイルがボトリングしたもの。

マクファイルのスキャパといえば、コニサーズチョイスなどのシリーズもの以外では、船の絵の書かれた蒸溜所ラベルしかオールドボトルは見た事がありませんでした。

このボトルは1970年~80年代に流通していたピュアモルト表記のオールドボトルだそうで、熟成は8年、26 2/3fl.ozsの液量オンス表記の100イングリッシュプルーフ(57%)。
裏ラベルを見るとドイツのスコマが輸入したもののようです。

最近ホームのbarで開栓されましたが、同時にいくつか開いた他のボトル同様、あっという間に空いてしまいました。

今回開いたボトルの中では予想している味を遥かに越える、という意味では最もインパクトがある、素晴らしいウイスキーでした。


【テイスティング】
甘く上品なレモンティー、フローラルな蜂蜜、オールドピート、夏の船の上の風、噛みごたえがある太い麦、フレッシュな柑橘。
短熟ハイプルーフらしい分厚い麦の厚みと、紅茶、蜂蜜のニュアンスととにかく華やかで分厚い素晴らしいスキャパ。

60年代蒸溜などの古いスキャパは、今まで飲んだものは加水がほとんどのためが、想像と全く違う味でした。

ラストのハーフショットもいただきましたが、澱がものすごく、旨味がフィルタリングで除かれていないという証で、味わいも麦の噛みごたえが印象的でした。

ボトリングから相当年数が経過していますが、ハイプルーフでスクリューキャップのためかヒネもなくおいしくいただきました。

今まで飲んだスキャパでは三本の指に入るくらい気に入ったウイスキーで、飲めたことに感謝です。


【Verygood!/Excellent!!】