西ハイランド、オーバンの街にあるオーバン蒸溜所。

オーバンとはゲール語で『小さな湾』という意味だそうで、創業は1794年。
オーバンの街は蒸溜所を中心に発展してきたそうで、街中にある珍しい蒸溜所だそうです。

ディアジオ所有の蒸溜所で、ディアジオの展開するクラシックモルト(クラシック6)の一つ。

クラシック6の例に漏れず、ボトラーからはほぼ出てこない蒸溜所で、レギュラー品の14年熟成とディスティラーズエディション以外はあまりみかけません。

最近だとリトルベイという免税店向けの加水ボトル、リミテッドエディションの21年カスクストレングス以外は、飲んだ記憶がないです。

オーバンは、ポットスチル(単式蒸留器)が容量の小さい二基しかなく、ディアジオ所有の蒸溜所の中では二番目に小さい蒸溜所だそうです。
そのため、生産量も少なく、他にまわす余裕はないのかもしれません。

このボトルは、そんなオーバンの珍しいボトラーズのもの。

オーバンライフボートステーションの40周年を記念して詰められたもので、1994年ヴィンテージの18年熟成、49.7%でボトリングされています。
ボトラーはダグラスレインです。

オーバンライフボートステーションの設立は1972年だそうで、2013年にボトリングされているので、3年前のボトルですが、全く存在を知りませんでした。

珍しいボトラーのオーバンということで、取り寄せてもらい、開栓していただきました。


【テイスティング】
ざらっとした砂糖、バターを塗った焼きたてのパン、砂糖漬けの蜂蜜オレンジ、ミネラリーな岩塩、胡椒をふったバニラクリーム、生姜。
余韻にはスパイシーな苦味があるが、樽感もアルコールの刺激も強くなく穏やか。


オフィシャルでは個性的な蒸溜所という認識ですが、やさしく穏やかな印象。
度数も49.7%と、カスクストレングスだとすると低いのも関係しているのでしょう。

オーバンの個性は胡椒のような味に少し感じますが、ブラインドで飲んだらまず分からないと思います。

貴重なボトラーのオーバンでした。

【Good/Verygood!】