ハイランドにあるトマーティン蒸溜所。

ゲール語で『ネズの木が茂る丘』という意味で、日本企業がオーナーになった初めての蒸溜所。
現在でも宝酒造を筆頭に全ての株式を日本の企業が所有しています。

このボトルは1976ヴィンテージのトマーティン、ボトラーはベルギーのネクターで、フランスのラ・メゾン・ド・ウイスキー(LMDW、メゾン)とのジョイントボトルです。

ネクターは2006年に設立されているので、今年10周年を迎えました。
ネクター設立以前にもオーナー家は酒販店やスーパーを展開しており、その販路を活かしてか、数多くのブランドや蒸溜所の代理店にもなっているそうです。

最近ではベルギー向けのスプリングバンク21年カスクストレングスが話題になりましたが、ネクター10周年のロゴが入っていました。

トマーティンの1976ヴィンテージはナナロクトマーティンと呼ばれ、価格も安かったため一時期いろんなボトルが連発されました。
そのフルーティーさが人気のヴィンテージです。

76年当時のトマーティンは生産量がスコットランドでも屈指の蒸溜所だったため、永遠に出てくるのではないか?と思いましたが、さすがに最近ではリリースはめっきり減っています。

ノージングで香りからいわゆるトロピカル系、シェリーのトマーティンと分かる香り。

チョコレートをコーティングした完熟のオレンジやアプリコット、ケミカルな桃缶のシロップ、ドライな麦、濃く煮出した紅茶につけた桃、アンティークなマホガニー家具、ビターなスパイス。
余韻には熟した葡萄やパッションフルーツなどのフルーツ、長熟のウッディネスが残る。

シェリーバット表記ですが、66辺りのヴィンテージに見られるバリシェリーのニュアンスではなく、煮出した紅茶や甘酸っぱいフルーツ感があるため、リフィルのオロロソバットだと思われます。

そこにいわゆるトマーティンフレーバーが炸裂する、フルーティーなデザートモルトです。
改めて飲み直すと意外にドライな印象で、アルコールのボリュームも感じました。

ナチュラルなフルーツ感というより、香料などで化学的な生み出されたようなケミカルなフルーツ感がまさに76トマーティンでした。

私が飲みはじめにハマったように、非常に分かりやすくフルーツを感じる事が出来ます。

独特な個性を持ったウイスキーです。


【Verygood!】





ウィックさんが入れた並行品です。


スプリングバンク21年カスクストレングスのベルギー向け。
ネクター10周年のロゴが入っています。