現在、高校3年になった受験生の次男に日本史を教えています。

 

先日、日本史の全時代を終えました。

私が受験生だった頃は安定経済成長期までが日本史の受験範囲。

1980年ぐらいまでが範囲で日本は世界第二位の経済大国でした。

 

歴史のラストが繁栄日本で何か誇らしい気持ちになったことを覚えています。

 

時は流れて現在。

日本史の受験範囲は令和元年まで。つまり平成時代は入試範囲となっています。

 

教科書にこんな記述があります。

 

"バブル経済崩壊後の日本は経済が停滞してしまい、平成時代の大部分は

『失われた30年』と呼ばれ、今後の日本経済の課題となっています。"

 

気づけば日本はとっくに経済大国ではなくなり、先進国でも下位の貧しい国になろうとしています。

 

その原因のひとつに"茹でガエルの理論"というのがあるそうです。

 

カエルを熱い湯に放り込むとカエルは「熱い!」と飛び出していきますが、カエルを水からじっくり時間をかけて熱していくと飛び出さず、しまいには茹であがって死んでしまうという寓話から来た理論です。

ゆでガエル学生にならないで | 教育・受験のミカタ

 

これは徐々に変化している環境に鈍感になると危機的状況が分からず、致命的な結末を迎えるということを意味しています。

 

要するに、日本は平和で豊かで恵まれた国だと思い込んでいるうちに世界から取り残されたことを暗喩しています。

 

昭和時代の社会が今後も続くであろうと

・有名大学を出て大手企業に入れば安心 ⇒ ソレ、とっくに終わっています

・とにかく有名大学に行かねばならない ⇒ 凋落した日本の大学に価値はないです

 

こんな常識に取り付かれている人、昭和生まれを中心に相当数存在しています。

 

医療についても同じです。

・医師は高い倫理観と高潔でなければいけない ⇒ カネ次第の医師が出ています

・患者を選ぶなんて医療として間違い ⇒ 医療が患者を選ぶ時代が来ています

 

これまでの日本の常識は世界の非常識であったのですが、日本の常識という水に長年浸かってきた私たちは少子高齢化と経済衰退という危機的状況が実感できず、気づけば致命的になっているのかも知れません。

 

最近、大学受験を迎える次男によく言っている言葉があります。

 

「従来の常識、特に日本的な慣習を過信してはいけない。」

「明治維新や敗戦についていけなかった人のようにはなるな。時代を見据えろ。」

と。

 

茹でガエル – ダ鳥獣戯画

▲快適なお湯もそのうち熱湯になって茹で死にます

 

そしたら次男がいいました。

 

「じゃあ、頑張って偏差値の高い大学に進学しても必ずしも報われないの?」

 

一瞬返答に窮しましたが、

「昭和時代じゃないから、大学名なんてのに依存しない方がいいね。」

 

とだけ答えました。

 

先の見えない難しい時代になったのだなぁと改めて感じた次第です。