今日は私の母の一周忌となる命日でした。

朝からあいにくの天気。風も強く荒天でしたが、午後から雨が上がったため家族で墓参りに行きました。

 

生前、母は一周忌などしてくれなくていいから、時折墓参りに来てほしい。

散骨などはしないでほしい。

というのが希望でした。

 

持病の高血圧症から心臓病や脳卒中を患った母ですが、幸いなことに後遺症ひとつ出ずに平均寿命近くの85歳まで生き、老衰によって天寿を全うできたことは良かったように思っています。

 

それでも息子としてはもう少し長生きしてほしかった。

あと10年、せめて90歳までは生きて欲しいと思っていました。

 

老衰。

それは天寿が尽きようとしたことの具体的な現れ。

 

ある日突然、食欲がなくなり、飲食を忌避して、ひたすら傾眠状態になる。

点滴の本数が増えていく様子は、さしずめ枯れかけた木に水や肥料をやるようにも思えるものですが、肉親としては永らえてほしいという感情とのジレンマがあります。

 

「お袋、一年経ったね。そっちの世界には慣れましたか?」

「俺は心臓手術を乗り越え、何とか頑張って生きています。」

「まだまだそっちの世界に行く訳にはいかないので、俺や俺の家族を見守っていてください」

 

そんなことを墓前で祈りました。

 

最近、ふと亡き母に似た雰囲気の高齢女性を見かけると少し胸が痛みます。

 

母に十分な孝行をしてやれなかった思い。

深夜に何度も私の携帯に電話してきた母の気持ちに応えてやれなかった思い。

 

"孝行したいときに親はなし"

 

という格言を身にしみて感じる今日この頃です。