今日、上司から面談したいという連絡があった。
私の直属上司は役員(専務)で会社の上位ナンバー3あたりの地位にいる。
よって、事業推進の可否やそれに伴う人事権を持つ実力者なので、サラリーマン的上司というよりは経営者としての性質を持つ。
「心臓の手術をするそうですが、体調はいかがですか?」
上司からは何より体が資本だから、まずは治療に専念するようにという配慮、いたわりの言葉をもらった。
しかし、当然そんないたわりの言葉を私に言うために面談した訳でない。
手術からどれくらいで完全復帰できるのか、
その間のプロジェクトや企画はどうするのか、
仕事の遅れ、組織パフォーマンスの低下をどうリカバリーしていくか、
等々のことを懸念しての面談だ。
手術支援ロボット・ダビンチを使った心臓手術なので当初、仕事復帰は正月休み明けだと思っていた私だが、現実には術後1ヶ月までは出勤不可、術後3カ月まては長期・遠方出張は不可ということだった。
「ロボット使ったといっても心臓手術だからそうなるよね。」
上司は明からに、私の完全復帰に時間がかかることを懸念した様子だった。
面談の後半は焦る必要はない、きっちり治療・復帰に専念しろと言いながらも、私の中長期的な仕事の立ち位置や人事評価には少なからず影響するので、そこは理解しておいてほしいという因果を含められた。
平たく言えば、
「病気とはいえ、それであなたの立ち位置や人事評価を斟酌することはできない」
ということをやんわりと通告したのだ。
私は20年ほど前、前職の会社でうつ病と診断されて3ケ月ほど休職したことがある。
その時も仕事のことなど気にしないで、治療に専念して復帰してください、という温かい言葉をいただいたが、いざ復帰すると会社に居場所がなかった。
私の仕事が完全に別の人や組織に移管されていて、やることが何もなかったのだ。
幸いなことに今はリモート勤務があるので、そうゆう浦島太郎のようなことにはならないで済むが、病気で手術・入院が長期になると職を失うことにもなりかねない。
私の経験でいうと欠勤・休職の限界は2カ月。
半年も休職すると浦島太郎になってしまい、ホワイトカラーの職場では仕事らしい仕事はなくなる。
入院・手術で長期欠勤は職歴にダメージを与えるのは事実のようだ。