僧帽弁閉鎖不全症のブログを検索すると、なぜか圧倒的に犬(ペット)のものばかりがヒットする。

 

僧帽弁閉鎖不全症ブログ≒犬

 

といっても過言ではないくらいの勢いである。

 

ひどい時は犬とヒトがひとくくりになって僧帽弁閉鎖不全症のブログに編集されているものまである。

これは一体、どうしたことなのだろうか?

 

ひとつは犬、特に小型犬はその特質上僧帽弁を壊しやすいことがあるのかも知れない。(故に発症数がヒトより多い?)

対するヒトの僧帽弁閉鎖不全症も、そんなにレアな心臓疾患ではないハズだ。

 

結局のところ、ヒトより犬の僧帽弁閉鎖不全症のブログが多い理由のひとつに手術費用の存在があるように感じる。

 

犬はヒトのように治療に健康保険が使えない。

犬の僧帽弁閉鎖不全症の手術費用は150万円~180万円ぐらいが相場。

当然、健康保険はないので全額実費である。

 

あとは飼い主の経済力次第なのだ。

 

ヒトの場合は健康保険があるので3割負担。

しかも、今の日本はありがたいことに治療費が高額になると限度額適用認定制度があり、僧帽弁閉鎖不全症の手術が百万円ということはない。

 

手術費用が工面できないから、手術しないで薬などの対処療法でお茶を濁すということを普通の人ならしなくて済む。

 

医師より手術(保険適用)をするかと言われて、費用をさほど気にしなくて良いのは嬉しいことだ。

 

犬もさることながら社会保険としての健康保険が整備されていない米国では、低所得者層を中心に僧帽弁閉鎖不全症の手術をせず、薬などで誤魔化すケースも少なくないという。

結果、重篤化して亡くなる人も米国では珍しくないようだ。

 

これは国民皆保険を国是としてきた日本の安心政策の賜物である。

 

 

僧帽弁閉鎖不全が悪化すれば、肺水腫や心不全を引き起こして命を危うくする。

 

健康保険制度を当たり前に考えている人は多いが、それがないと私たちは裕福な階層しか手術や治療を受けられない社会になってしまう。

 

犬の僧帽弁閉鎖不全症のブログが多いのは健康保険の有無が背景にあるのだと思った次第である。