糖尿病とは文字どおり、尿に糖がでてしまう病気である。
インスリンの分泌や感度が悪くなることで、血液中のグルコース(ブドウ糖)が細胞に届けられず、いつまでも血管の中をグルグルと留まり続けた結果、腎臓からグルコース(ブドウ糖)が排出されるという仕組みである。
尿に糖が出る時は、かなりの量の糖が血液中に滞留していることを意味する。
だいたい血糖値が170を超えると尿に糖が検出されるという。
だから、尿に糖が出ている状態は糖尿病が悪化していることを示し、Maxは4+。
4+のレベルで糖が出ているということは深刻な状況ということになる。
だが今、発想の転換でドンドン血中の糖を尿にして出してしまう治療薬が出ている。
SGLT2阻害薬というものだ。
上の図のように糖尿病は血液中(血管内)にいつまでも糖が滞留することで深刻な合併症を引き起こすのだから、サッサと尿にして糖を排出してしまおうという発想だ。
このため、この薬を飲んで尿糖の検査をするとまさかのMax値4+が出る。
重症糖尿病患者のおしっこである。
飲んだことはないが、この4+の尿は相当に甘いことが容易に推測できた。
それは
・立っておしっこをするとビールの泡のように尿が激しく泡立つ
・夏、野外で立小便をすると甘い匂いに誘われて虫が多く集まってくる
・糖が大量に出ているためか、トイレの掃除が大変になった(妻談)
・そもそも、尿にうっすらと甘いような臭いを感じることがある
等々のことからもわかる。
糖尿病の医師が
「ものすごく尿に糖が出ているから、いいね!」
というひと昔前なら、???となるコメントまである。
尿に糖が出るので糖尿病と名前がついたのだが、困るのは血液中にいつまでも糖が残っていることなので、今後は血糖病と名称変更した方がいいのではないかとも思う。
こうした発想の転換で今後、いろいろなクスリや治療法ができていくのを期待したいと思う。