今日は月一回の糖尿病の検診の日だった。
毎月一回、血糖値を測定して血糖値がコントロールできているかをチェックし、薬を出すというものである。
最初に体重と血圧を測定し、コップに採尿、最後に採血してデータが出たところで診察するという流れだ。
名前が呼ばれ採血となった時のことである。
採血を行う看護師(婦)が私の腕を見て一瞬躊躇する様子が垣間見れた。
私は男の割に手足が痩せていて小さく、血管がとても細くてわかりずらい。
(ルパン三世や次元大介の手足を想像していただけるとわかり易いかも知れない)
だから、経験の浅い若い看護師さんは採血すべき血管が見つけられなくて、躊躇することもしばしばだった。
血管が浮き出るようギュと縛ったり、採血する部位を指でピタピタ叩いたりした。
大体はこれで何とか採血できるのだが、今回はちょっと違っていた。
採血すべきターゲットが見つけられないようで、焦っている様子なのである。
それでも、意を決したように「では、いきます。」といって注射針を刺した。
「ちょっとチクッとするかも知れません。」
看護師さんの決まり文句が出て採血は終わるのだが、何故か血液が吸い出されない。
すると看護師(婦)さんが「一旦、針を抜きますね」といって、やり直しとなった。
「慣れていないのかな? 採血やり直しなんて一度もなかったけどな。」
そんなことを考えていると、「もう一度行きます。」という看護師の声とともに注射針が入ると、ビリっと電流が走るような鋭い痛みが手の方向に走った。
「アッ、痛い!」
思わず私が声を上げた。
あわてて看護師(婦)は採血の注射針を抜き、痛点か神経に触れてしまったようだと言って中止した。
とっくに注射針は抜けているのだが、弱い電流が流れているような感覚が指の先に残っていた。5分もすると指の感覚が元に戻ったので、反対側の腕で再々トライすることになった。
再々トライの時も看護師(婦)は大分躊躇していた様子だったが、ベテラン(?)看護師さんが何やら私に聞こえないようモニョモニョ採血の看護師に耳元で言うと、今度は何事もなく採血が完了した。
通常、採血は1分かそこらで終わるものが、今回は15分ぐらいの長丁場となった。
そして、いつも採血時に看護師が決まり文句のように言っていたフレーズ
「手や指が痺れたり、ビリッとしたりしていませんか」
の意味がはじめてわかった。
採血など100回以上やっている私はそのフレーズの意味が分からず、看護師さんの気配りで言っていると思っていたが、重要な意味があるのだと知った。
あのビリッと電気が走るような、感電したかのような痛みは結構こたえます。
今回の件で採血に恐怖するようになってしまったかも知れません。
誰もが何気なく病院でフツーにやっている採血ですが、ごく稀ですが予想外の激痛を
味わうこともあるようです。
何事も甘く見てはいけないということでしょうか。