いろいろ悩み迷った結果、私は心臓手術を受ける決心をしました。
自宅近くの循環器内科の医師のことばである
「元気な心臓のうちにキチンと治してしまいなさい。」
というのが決め手でした。
この医師は母が生前、診てもらっており、滅多なことでは心臓手術を勧めたりしない患者の状態を重視する慎重な医師だったからです。
私の病名は僧帽弁閉鎖不全症。
▼僧帽弁閉鎖不全症の概略図 (上尾中央病院HPより引用)
上の図のように、僧帽弁という弁(バルブ)がキチンと閉じないため、心臓に入ってきた動脈血が逆流して肺の方に戻される状態の疾患。
現在、私は逆流率が56.4%の割合で血液が押し戻されている状況。
半分以上の血液が押し返されているので、長く続けば肺に水が溜まったり、心不全を起こしたりして重篤になっていく危険性があるのだ。
弁(バルブ)が閉まらない原因は僧帽弁に繋がっている腱、糸のようなものが断裂して切れてしまっているため。
手術でテフロン製の糸を使って腱をつくり、弁輪という補強材を加えるというもの。
▼僧帽弁形成手術の概要図 (ニューハート・ワタナベ国際病院HPより)
心臓の弁をいじるので、人工心肺装置を使いながら、心臓を一時的に止めて手術をするというものになる。
心臓手術なので手術当日はもちろん、家族のフォローがある程度必要になる。
だが妻はパーキンソン病を患っており、服用している薬の副作用などで体調は芳しいとは言えない。
私の手術の付き添い等を行うのは負担が大きいのである。
そこで妻の負担軽減のため、大学生の長男や私の父親にも手伝ってもらうことにした。
私の父は84歳になるが、幸い知力はしっかりしていて込み入った話も大丈夫だ。
体力の部分は期待できないので、体力が必要な部分は長男にお願いする方向でいる。
次男はまだ高校生なので、特にお願いすることはないが、生活の部分で少し不便をかけてしまうことは間違いない。
家族全員に迷惑をかけてしまうことになり、心苦しい限り。
家族の誰かひとりが手術するとなると、それ相応に影響があるということを当たり前だが痛感させられた。
残るは職場だが、こちらはもっと厄介だ。
手術を決めたら、厄介なことにいろいろ対応しなくてはいけない。
やっぱり手術は大ごとである。