心臓・僧帽弁閉鎖不全症である日突然、手術せよと言われた私。

突然の心臓手術の宣告に狼狽し、混乱と恐怖の坩堝(るつぼ)と化してしまいました。

 

何とか心臓手術だけは回避できないかとネット検索していると、MitraClipt(マイトラクリップ)なる治療法があることを発見。

カテーテルを使って壊れた僧帽弁のところにクリップを置くという内科的(?)治療法です。

 

 ▼MitraClip(マイトラクリップ)

 

図1:クリップ

 

「これだ! これしかない!」

喜び勇んだ私はカテーテルを使った治療法をやっている病院への紹介状を書いてもらうため診断した近所の循環器内科へと急いだ。

 

「先生! カテーテルを使ったマイトラクリップなる治療法をやりたいのですが。」

すると医師は困惑したような顔して私に告げた。

 

「私はこの病気は外科手術しか完治する方法はないと申し上げたかと思います。」

「クリップを使う治療法というのは、心臓手術ができない人の代理治療です。それだと根治はできません。」

「あなたはまだ50代なので、手術しかないんですよ。」

 

医師は明らかにまだ、そんなこと言っているのか・・・困った奴だなぁという言い方だった。

 

「ただですね。手術はしばらくはできないと思います。」

 

医師からの意外な発言に耳を疑った。

 

「血液検査の結果が出たんですが、HbA1ct(ヘモグロビンA1c) の値が9.5もあります。」

「この血糖値では手術不適合です。6.5以下にしてください。」

 

早く手術しろと言ったら、今度は手術はしばらくできないという医師。

「だいたい、どのくらいすれば手術できるようになるのでしょう?」

と私が言うと呑気な患者と思われたのか、医師の語気が些か強くなった。

 

「この値ですと早くても手術できるレベルに持ってくるのは3カ月かかるでしょう」

「いいですか? この値は尋常ではありません。糖尿病の専門医に至急行って血糖値を下げてください」

「この値ですと、もっと深刻な合併症を併発します。僧帽弁の不具合も間接的に関係していたのかも知れませんよ」

 

回りまわって手術のボトルネックと病気原因が糖尿病にあることが判明。

恐るべし! 糖尿病である。