2020年7月。新型コロナが感染拡大をはじめた頃、会社より

「いい加減に健康診断を受けてください!」

と総務より督促を受けて、否応なく健康診断を受けた時のこと。

 

聴診器を当てていた若い医師がひと言。

「あれ? 何か心臓に雑音のような音がしたんですけど、心臓どこか患っていますか?」

あまりに突飛な指摘に憮然として

「心臓? 心臓が悪いなんて一度も言われたことありませんよ!」

と些か強い口調で答えた。

「そ、そうですか・・・」

まだ、二十代後半といった感じの若い医師は「大変、失礼いたしました」という感じで引っ込んだ。

「まったく! いくら血糖値が高いからって、何も心臓なんて失礼な!」

 

しかし、後にその若い医師の指摘は聞き違いではなかったことを私は知ることになる。