私が取材して分かった状況ですが、
日銀の調査と政府統計のギャップが問題意識のきっかけ
須田)ところが、日銀マンたちが調査して出た結果と、
政府が発表する統計の数値がどうも大きなギャップ、
乖離が生じているということになった。
日銀サイドとしてはなぜこんな差が出て来るのか、
元データを検証させてもらいたいということで、
窓口になっていた内閣府に確認を求めたのですが、
内閣府は事実上の門前払いをしたのですよ。
だから、日銀は内々に官邸を通じて検証作業を行わせてくれという申し入れを行っていた。
これが問題意識のきっかけなのですね。
だったら日銀サイドにもそういった検証ができるような、
公平公正な統計データの検証作業をやって欲しいという風に申し入れたところ、
なかなか応じて貰えなかったのが当時の実状なのです。
例えば、当時は異次元の金融緩和政策という非常にナイーヴな政策をやっていて、
その問題についてかなりピリピリしていたのですね。
日銀としては、誤った前提状況で金融政策を進めてしまうと大きな問題を残すので、
その点に注目していたのは理解できる。
ところが、逆に受ける側としてはどうでしょう。
やるべき調査をやっていなかった、
決められた手法で調査していなかったことを分かっているわけですから、
それをオープンにできないのですよ。
だから、なかなか公表しようとしない政府に対して不信感が募って行くのは当然で、
問題決着を図るためにも善処して欲しいと申し入れを行うのは、
首相秘書官だったら当たり前の話だと思いますよ。
何も数字が低いから、
アベノミクスの結果を出すために高い数字を出してくれと要望しているわけではない。
その点を考えると、この国会質問ないし一部マスコミ報道の意図としては、
第二の森友・加計問題のようなところもあるのではないかと思いますね。
アベノミクス偽装だと言い出している国会議員の発言を聞いていると、
そういうふうにも感じます。