- 著者： NoData
- タイトル： パ・リーグを生きた男 悲運の闘将西本幸雄―悲運の闘将西本幸雄
このユニフォームはカッコいい。近鉄はこのユニフォームを止めてから、ダメになった。止める前からダメになっていたし、止めてから、優勝したが、このユニフォームの伝統は引き継ぐべき、だった。あの野茂英雄（現タンパベイ・デヴィルレイズ）も袖を通したユニフォーム。変えたユニフォームは社会人野球のチームみたいだった。その瞬間、伝統は消えた。伝統を受け継がなくてもいい、と球団首脳が考えるようになった。だから、合併、消滅。
しかし、悲運の闘将・西本氏は合併・消滅に理解を示し、「合併反対！」を声高に唱えるファンと称する人々を戒めてみせた。この辺りがプロフェッショナル、だ。監督としてプロフェッショナル、だった、という以前に人間として、男として、プロフェッショナル、だった。こういうワビサビが分からない声の大きい人たちには振り向きもされない書だろうが、真の野球ファンを任じる人たちなら読んでおきたい書、だ。