夏場は好調で、10月に入ってから失速し始めた両チーム。鹿島は3連敗で、大分は2分1敗でこの試合を迎えていた。
鹿島の2トップは柳沢と深井、大分の2トップは松橋と高松。試合序盤は両チームとも互いの出方を伺うような試合展開であり、両チームのFWにボールが収まることはなかなか無かった。
共にシュート数も少なく、停滞していたムードを先に振り払ったのは大分であった。
前半15分、西川が三木へパスを出し、三木が出したロングボールに反応したのは松橋であった。ボールをトラップした瞬間はボールが横にそれてしまいミスで終わったかのように見えたが、松橋はそのボールに巧みに体をかぶせ、鋭いシュートを放つ。放たれたシュートは鹿島GK曽ヶ端の頭上を越え、クロスバーに当たりそのままゴールとなった。
先制点を決めたら試合は大分のものである。大分は先制した試合を11勝2分1敗とゆう、先制したら負けることはなかなかないとゆう結果を残していたのだ。
対する鹿島も野沢のミドルシュートなどで反撃を試みるが、全体的に連携が悪くなかなか点につながらない。
前半を1-0で切り替えした両チーム。後半に入って最初に動いたのは鹿島であった。スタメンの柳沢、本山、ファビオ・サントスに代わって、フェルナンド、田代、ダ・シルバの3人を投入してきたのである。この交代によって鹿島に流れが傾くとも思ったが、やはり鹿島は連携が悪く、パスを繰り返すもボールがつながらない。
そんな中、大分に追加点が入ったのは後半26分。鹿島のパスミスを奪い、素早いカウンターで松橋が右サイドをドリブルで疾走。松橋からの切り返しを、ゴール前にいた高松が押し込み大分に待望の追加点が入ったのだ。
2点目を取られた鹿島にはもはやどうすることもできなかった。後半最初に投入した3人も動きにキレが無く、田代の惜しいヘディングシュートを放つのみであった。
この試合、大分の背番号8松橋はフィールドを疾走していた。入団6年目にして花を咲かせた松橋。自身初の2桁得点を記録した試合は、大分トリニータ通算150得点目でもあり、チームに勝利をもたらすメモリアルゴールとなった。
敗れた鹿島はこれで7年ぶりの4連敗。金曜日にナビスコ杯決勝を控えるが結果を残すことが出来ず、不安材料を抱えたまま決勝を迎えることになってしまった。
リーグ戦でも優勝から遠のくばかりである。名門復活はいつになるのだろうか・・・。