今回のエクアドル戦、最も注目されたのはFW陣の生き残りをかけたサバイバル戦であろう。その結果、はっきりと明暗が分かれた。この試合、先発したのは久保と玉田。以前も書いたが、この2人がコンビを組むのは、約1年10ヶ月ぶりとなる。試合が始まり、最初のチャンスを作ったのは日本。三都主からのクロスに、久保が右足で合わせるが、このシュートは枠を外れる。その後もクロスを頭で合わせるなどの好機を演出したが、点にはつながらなかった。そして玉田。積極的にドリブルを仕掛けるも、やはりエクアドルDF陣は強靭であった。玉田がドリブルを仕掛けると同時にDFが素早くマークについてくる。その結果、玉田はFWとゆうよりもトップ下に位置することになってしまった。小笠原や久保との連係プレーを見せつけるがやはり点にはつながらなかった。前半は両チーム無得点のまま終了。後半に入り、序盤はエクアドルのペースではあったが、徐々に日本が自分達のリズムを作り出し、エクアドルゴールに攻撃を仕掛ける。再び三都主からのクロスに久保が頭で合わせるが、GKに防がれてしまう。その後、小野のクロスに玉田が素晴らしい反応を見せ、鮮やかなトラップで足下にボールを落としGKと1対1の状況になり、右足を振り抜くが威力が足りず、またまたGKに防がれる結果となってしまった。そして後半31分、ジーコが動く。久保と玉田の2トップに代わり、佐藤寿と巻の2トップを投入する。この2人がピッチに入った瞬間、明らかに久保と玉田よりもゴールへの執念が見えた。相手DFがボールを持つと、2人同時にプレッシャーをかけにいく。この動きは久保と玉田にはなかった動きである。前線の人間がプレッシャーをかけることによりDFのパスコースを減らすことができ、カウンターを仕掛けるきっかけにもなる。そして後半40分、ついに試合が動いた。三都主の低空クロスに飛び込んできた佐藤寿が左足で合わせ、エクアドルゴールに突き刺した。佐藤寿らしい美しいゴールであった。このゴールが決勝点となり試合は終了。ジーコジャパンが初めて南米相手に勝利したのであった。
今回の試合で、玉田の置かれた状況はより厳しいものとなっただろう。決定的なチャンスでゴールを決めることができなかったのは、まだ玉田が完全復活を遂げていない証拠でもあるだろう。対照的にドイツ行きへのチケットに大きく手をかけたのが佐藤寿であろう。1回の決定的な場面をゴールに結びつけたのは圧巻の一言である。
明暗を分けたFW陣。最終選考までの残り2試合、決して気が抜けないものとなってきた。ボーダーライン上に立たされている、玉田、巻、佐藤寿。決して安泰とは言えない、大黒、鈴木、柳沢、高原。果たして6月にドイツのピッチに立つのは誰なのか。まだまだFW陣のサバイバル戦には目を離すことはできない。