家に帰りたくなかった。

帰ってもどうせ1人で残り物をさらうだけ。

そのまま眠くなって、やらなきゃいけない

仕事もせずに、ソファで横になるぐらいなら

ガストで飯食って、パソコン仕事して

帰って寝るほうがいい。


「食べないなら連絡してよ」

残り物の麻婆春雨にラップをかせて

冷蔵庫にしまっていると

キッチンにやってきた嫁がボソリという。


「木曜と金曜は、ご飯いらないのね」

金曜は娘も塾なので、早めに夕飯食べて

出かける。嫁が帰って自分の分だけ食べて

引きこもっているので

ぼくも食べて帰るようにしていた。

木曜は、仕事で帰りが8時をすぎる。

嫁はキッチンに残り物を用意しているが

ひとり夕飯は、味気なく、寂しかった。


僕が夕飯を作っておいても

嫁は食べずに寝室直行は常のこと。

同じことを僕がしたら

「夕飯いらないのね」

と、作らない宣言されるのは

納得いかないが反論はしない。


これで木金の夕飯はひとり外食が決まった。

この様子で、曜日を増やしていったら

僕は家に寝に帰るだけになるだろう。


家なんているの?

嫁なんているの?

家族なんて、いるの?