夜道を歩いていたら

セミが鳴いてることに気づいた。

いつも耳鳴りが治らないので

あまり気にしてなかったのだけれど

ああ、確かにセミの鳴き声だ。


いつからだろう回りが見えなくなってきたのは。

日々に忙殺されて、安心できる場所がなく

ほっと息がつける場所がなくなっていた。

星を眺めたり、草花を愛でたり

虫の声、風の音、波飛沫や雨粒の音すら

日々の雑音にしか聞こえなくなっていた。


そういえ今春、桜を見た記憶がない。

見ていたのかもしれないけれど

覚えていない。アジサイも。


自然は心を癒すのではなかったか。

天候は草花の命を延ばすのではなかったか。

台風すら季節を感じる風物詩から

命を奪う危険な天候異常となり

夏の太陽すら悪者扱いされている。


今年は海に行こう。ひとりで。


離婚まで、あと2088日。