定例の後、帰宅は20時過ぎになる。
嫌な予感がして、コンビニで弁当を買った。
娘が塾で不在の夜だ。
僕が昼間手の空いている時は
夕飯の用意をして出かけるが
昼過ぎに家を出なければならなかったので、
レトルトカレーをキッチンに置いて行った。
ご飯は残り物が冷凍してある。
夕方、ご飯を食べてから家を出る娘なら
きっと気づくだろう。
それに夕飯時間までに帰宅した嫁が
自分の食事を作る傍ら
僕の分を残しておいてくれることもある。
だから、いつも定例の夜は
僕は外食せずに帰宅するのが常なのだ。
キッチンに置いたレトルトカレーは
人数分より多くある。
選択肢は多い方がいいだろう。
僕の分は考えていない。
嫁がなにか作っておいてくれるだろうと
期待しているから。
流石に嫁は僕にも同じレトルトカレーで
済ませるつもりではないだろう。
冷凍ご飯ではなく炊飯器で
米を炊いておいてくれるのでは?
いやいや、流石に何か一品作っているはず。
そんな思いは、簡単に打ち砕かれた。
20時過ぎに帰宅すると
キッチンのレトルトカレーは
ひとつも減っていなかった。
冷凍庫のご飯はひとつ減っていて
戸棚のカップラーメンが
ひとつ食べられている。
洗い場には食器が雑多に積まれているけど
たいした夕飯ではなかったことは
誰の目にも明らかだった。
淡い期待はあっさり打ち砕かれた。
僕はコンビニ弁当を温めている間
テレビを付けたて、ソファに身を沈めた。
嫁は寝室にいるが顔をみせる気配はない。
孤独な週末の夜が始まった。
離婚まで、2120日。