タイフェスに行きそびれた。

コロナ前は毎年欠かさず行っていた

タイフェスが、久しぶりに開催されたのに

今年は日にちを、チェックし忘れていた。

気づいたのはフェスが終わった次の日のこと。

毎年、タイ飯とフルーツを楽しんで

マンゴーを箱で買って帰っていたのに。


コロナ前は嫁のほうから

「タイフェスいつだっけ?」と

4月ごろから声をかけてくれていた。

いつのまにか夫婦の会話はなくなり

僕もすっかり抜け落ちていた。


思えば嫁はエスニック料理が

あまり得意じゃないのに

マンゴーは好きなので、僕の買い食いには

無理して付き合っていたのかもしれない。


マンゴー好きな娘は

をタイフェス行きたかったなー」と

あっけらかんと言って部屋に戻った行った

嫁は、特に反応もなく。


もう家族で出かけることもないのだろう。


夕飯には、以前娘が給食で出て

美味しかったと言っていたので

カレイの唐揚げを作ってみた。

えんがわからかぶりついたら

骨が多かったことにびっくりした娘は

二口程度でカレイを諦めた。

給食のカレイは

きれいに骨が外されていたらしい。

唐揚げでは食が進まない嫁は

適当に箸でつつくと

戸棚からふりかけを、持ち出してきた

「私も」と娘が続く。

僕は魚屋でアジを下ろしてもらっていたので

なめろうを1人突いていたが

家族は誰も興味を示さず

適当に食事を終えると

それぞれがいつもの場所に帰って行った。


今日は夕飯作りに結構な時間かけたのだけど

嫁も娘もいつもと変わらず15分ぐらいしか

食卓にいなかった。

そして僕は、そのままソファに寝落ちして

夜中に目覚めてダイニングテーブルに残された

無惨なカレイの残骸を片付けて

食器や揚げ物の鍋類を食洗機に詰めて

またソファに体を横たえた。


嫁の寝室のドアからは

いつもより音量の大きいNetflixの音声が、

光と一緒に漏れ出ていた。


離婚まで、あと2137日。