「今日は?」
在宅勤務の嫁が珍しく僕の帰りを聞く。
金曜は娘が塾の日なので夕飯は
塾に行く前か、塾が終わって帰宅してから
とるので、家族の夕食をどうするか
確認したかったのだろう。
9時すぎかな?
そう言い残して家を出た。
仕事が順調に終わり本当に9時すぎに
帰宅することができた。
帰りに何か食べて帰ることもできたけど
おそらく今日は、嫁が夕飯を作っている。
冷蔵庫に焼くだけで済む焼肉パックがあったし
ご飯はここ数日分の残りを
冷凍庫に小分けしてある。
パスタソースも、素麺のつゆも買ってあるので
万が一嫁が何も用意してなくても
5分もあれば何かたべられる。
帰り駅前のコンビニに寄って
何も買わずに出たのは
そんな思いがあったからだ。
家に着いたら時刻は9時10分。
案の定、夕飯はあった。
キッチンのフライパンには
数時間前に焼かれたであろう
パックの焼肉が冷えていた。
コンロの火をつけ温めていると
ちょうど娘が帰ってきた。
夕飯は?「食べる」と娘。
「今日、学校でさー、、、」
と学校での話を聞きながら気づいた。
嫁は風呂に入っていた。
僕が9時過ぎに帰宅することを伝えて
出かけたのは昼過ぎのことだ。
ということは9時のタイミングで
嫁は風呂に入ったのだろう。
普段は、11時過ぎが、嫁の風呂の時間だ。
その頃僕は、夕飯を終えて
自室で仕事しているからだ。
ということは
僕が帰宅する時間に合わせて
嫁はあえて、風呂に閉じこもったと
考えるのが適当だ。
「おかえりなさい」を言う習慣もなければ
帰ってきて、顔を合わせることも
話しをする習慣もない。
先日、友人宅の事件のことを
「言ったっけ? ⚪︎⚪︎のうちでさ。。」
と何ヶ月も前のことを持ち出され
そんなに前の話をいまするか?
と耳を疑った。
学校の話が、オチを迎えた頃
夕飯を終えた娘は部屋に戻っていった。
僕はそのままソファで寝落ちする。
いつのまにか風呂から上がったらしい嫁は
ドライヤーを使っている。
きっとリビングに来ることなく
そのまま寝室に篭るのだろう。
目が覚めると深夜3時過ぎていた。
ダイニングには夕食のときの皿が
そのままになっている。
僕はそれを食洗機に詰めて
またソファに横になった。
離婚まで、あと2141日。