夕飯の支度を終えてソファで寛いでいると

嫁が帰ってきた。リビングには立ち寄らず

リビングのドアも開けず、寝室に直行。

洗面所の扉を開けたのは

着替えて脱いだ服を選択かごにでも

入れたのだろう。それっきり

部屋から出てこない。


リビングには僕がいて

その向こうには娘がいることは

帰宅時間からしても明らかだが

話したくない、顔も合わせたくないのか

部屋から出てこない。


僕は帰宅したら、何はなくとも

リビングに顔を出す。

ダイニングに荷物を下ろして

仕事道具は自室に持ち帰るけど

脱いだジャケットや外した時計は

ダイニングに置いて

帰ってきた事を家族にそれとなく

知らせているつもりだ。


帰ってきた事ぐらいわかるけど

何も言いにこないのはどういう神経なのか

僕にはさっぱりわからない。

疲れているのか、嫌なことでもあったのか

すぐにでもベッドに潜り込みたいほど眠いのか。


嫁の心がさっぱりわからないから

心はどんどん離れていく。


離婚まで、あと2170日。