アナウンサーの水卜ちゃんが結婚したとか

料理家のミキママが離婚したとか

どちらも新人生のスタートに

幸せになってほしいなと思いつつ

本音の部分では、見知らぬ他人の

結婚、離婚のニュースほど

どうでもいいことはなくて

自分の人生にこれっぽっちも影響しないのに

「へー、そうなんだ」と

知識を取り入れてしまうことに

ああまた記憶細胞を無駄遣いしちゃった

と思ったりしている。


WBCの余韻に浸る番組もそう

勝利の美酒に

いつまでも酔っていたいのだろうけど

いい加減、現実みろよとも思う。


現実主義というのか

どうも昔からファンタジーが苦手だ。

創作よりもドキュメントの方が好きだし

アニメより実写のほうがいい。

それは自分が「創作」を

仕事にしてるからかもしれないけど。


恋愛はファンタジーだ。

互いの良い部分を強調してみせ

嫌な部分はできるだけ隠そうとするし

優しさという名前で肉欲を飾る。

どれだけ本当の自分を晒して

それでも一緒にいられるか

問われているのだと思う。


前妻と別れてかひというもの

僕にはドキュメンタリーが辛すぎて

ファンタジーに逃げ込んでいた時期がある

そのまま2度目の結婚をしてしまったことが

いまの状況を作り出したのかもしれない。


夫婦生活はファンタジーではいられない。

朝起きれば、すっぴん、ボサボサの髪

歳をとれば口も臭いし、寝屁もする。

黙っていてもご飯は出てこないし

食材を買うスーパーでは一円でも安いほうを

選ぶことに。子供がいれば、ときに思い通りに

ならなくてイラついたりもする。

お金の問題、教育、生活のすべては

ドキュメンタリーだ。


恋人同士はファンタジーで

夫婦はドキュメンタリーなことを

一番分ってないのは自分かもしれない。


僕は前の結婚から離婚を線引きできなくて

いまの嫁と同棲し始めてしまったので

ドキュメンタリーのまま

ファンタジーを見ていた。

そうしてやがて

ファンタジーの要素が薄れていくにつれて

ドキュメンタリーに

ついていけなくなってしまったのかな。


ドキュメンタリーとファンタジーが

結婚を境にグラデーションで変わっていく様は

僕にとっては残酷でしかない。

オンとオフのスイッチのように

ファンタジーからドキュメンタリーに

切り替えることが、できたとしたら

それはそれで残酷なのか?


ソファで目が覚めた朝

寝起きの頭で、ぼんやりと

そんなことを考えながら

また時間を無駄に過ごしている。


離婚まで、あと2196日。