「最初の結婚と壊れたケータイ」の続きです。

 

 

前妻に、ケータイを突きつけて

なじるように大喧嘩したとき

彼女は逆ギレして僕に掴みかかってきた

爪を立てられ、僕は手の甲から血を流した。

 

それでも、やり直してほしいと頭を下げて

その場を納め

後日、浮気相手にも会って

別れてくれるよう話し合った。


いっときは

それで落ち着いたかに見えたのだが

前妻と、相手の男とは終わらなかった


何度も話し合い、何度も掴み合いになり

そうして半年後、別居が決まった。

 

僕たちは徒歩で10分ほどの距離に

それぞれ暮らすことになる。


一緒に飼っていた犬は

前妻が連れて行ったのだが

彼女の仕事がときは、僕が預かるようにして

なんとか細い糸で繋がっていた。

 

そうして僕はまた

女遊びを再開していた。


今の嫁と出会ったのも、その頃の事で

ほかにも入れ替わりはありつつ

常時2~3人の女と遊んでいたのだ。


今の嫁が、僕の部屋で

半同棲みたいになった頃には

他の女とは、手薄になっていたけれども

それでもやっぱりクズだった。

 

その後、前妻から

「籍を抜いてほしい」

と、言われたのは

何が理由だったのが

もうまったく思い出せない。


それでも、今まで通り行き来して

犬を預かって

時々、食事する関係は続けていたので

僕はいったい全体、どんだけクズだったのか

ほんとに思い出すことができない。


それでも細い糸が繋がっていれば、

いつかは、元の鞘に収められると思っていた

クズに輪をかけてバカな僕。

彼女に親密な男がいることが、わかるまでは。

 

別居から3年目の夏だった。

ある日、前妻のメールの誤送信で

彼女に男がいることがわかった。


話し合いの場を持つことになり

前妻との待ち合わせ場所に行くと

「あなたの部屋に行きましょう」という。


部屋には今の嫁が住んでいたので

それはできないと断ったのだが

前妻は耳を貸さず、タクシーを停め

嫌がる僕を隣に乗せて

僕のマンションにたどり着いた。


その後の修羅場は思い出したくもないが

終始、今の嫁は落ち着いていたのは

僕には離婚歴があることを

とっくに話していたからだろう。

 

後で聞いたら

「あぁ、本物だー、って思ってた」と

笑っていた。


今嫁(当時は彼女)は

その後も出ていく様子もなく

僕は前妻との、苦々しい修羅場の思い出がついてしまった部屋をでることにしたのは

修羅場からひと月も経たない頃だった。

 

離婚まで、あと、2217日。