出生率

　若年労働力の現象は、出生率の低下によるものだといわれている。ならば、出生率の低下は何によるものなのか。

　たとえば、日本では一年に百万人の新生児が生まれる一方で、三十万人の子供が中絶の犠牲になる。

　世界の中絶事情を鑑みると米国や韓国では(州によって異なるが)人工妊娠中絶は禁止されている。これにより日本ならば年間三十万人×三十年で二千五十年までに一千万人の若年労働力を供給できる。

　また、中国の一人っ子政策による代理母の潜在供給力も見逃せない。中国全体でも十倍、大陸部に限れば二十倍の購買力の違いからかんがえれば、一人当たりの妊娠奨励金十万円は、二百万円相当の価値がある。

　一人十万として、三十年で十兆円の予算を投入すれば一千万人の若年労働力が供給される。日本の優秀な学生の精子バンクを使えば、地方から上京する学生の経済的な負担も減る。すべてが解決されるのである。

　こうして二千万人の若年労働力を供給した後に、社会は子供を育てる義務があるという共通認識を日本に定着させなければならない。

　不妊症の家族のための里親制度の導入などもより積極的に検討すべきだ。

　二千万人の若年労働力を供給できれば、二千五十年にも千九百九十年のピーク時と変わらない若年労働力が保てる。

　しかし、老人は依然として多いのだから、やはり若者に負担の少ない社会にすべきだろう。

　ます、高齢者の自己実現手段を消費にしぼり込む誘導が大切になる。そのためにインフレ期待を持たせなければならないが、ゼロ金利政策は効果がないらしい。ならば、マイナス金利としての総合資産課税を導入するしかない。

　政府の昨日もなるべく小さくして、すべての税金を廃止し、付加価値課税のみで国家を運営すべきである。これは老人まで幅広く負担する平等な税であり、逆進性は総合資産課税による基礎所得保障で解決できる。