1-4-1.【数学・理科演習法】

▽ 計算練習

 では、なにをすればいいのでしょうか?

 月並みなようですが、数学の教科書を完璧にすることが一番だと私は考えています。これならまともに解いても、解答丸写しの解法数学の三分の一の時間でできます。

 こまったことには、教科書には丁寧な解説がないことですが、これも教科書ガイドを買って、答え合わせをしてしまえばいいのです。

 教科書ガイドの解答はたしかに雑で、つかうたびに偏差値が一下がるという教師もいますが、なにもしないよりはいいと思いますし、解答の書き方など、のちのち修正することは十分に可能です。

 まずは、基礎を固めることこそ大事なのですから、やはり数学の教科書を終わらせてしまうのが一番です。

▽ チャート式

 チャート式については、和田氏の本では最近では、青チャートが薦められているそうですが、私には難しすぎると感じます。多くの高校でも、黄チャートや青チャートを薦められているそうですが、県内トップの高校でも、もしチャート式をつかうのであれば、どうしてもチャート式をつかいたいのであれば、白チャートを使うのが最善だろうというのが私の考えです。

 まして、大方の受験生にお勧めなのは、やはり白チャートです。黄色・青・まして赤に手を出せるのは、予備校でタダ券をもらうレベルの生徒でしょう。

 ほかにも、マセナのサルでも分かる~のような参考書も、数式のあいだに赤ペンで注釈が入っているものが多く、分かりやすいのでお勧めです。

▽ 多すぎないか? 多ければいいというものではない!

 しかし、教科書をとりあえず一通り解き終わった後に使う参考書はひとつだけにしましょう。その後は、そのままセンターや志望大学の問題に移ってしまってかまいません。そこで、解法の組み立て方の思考力≒試行力(試してみて、失敗して、修正する力)を付ければいいのであって、他の本は一切必要ありません。

 まして、大学への数学シリーズ、特に一対一のような、どうしてあんな難しい参考書が売れているのか良く分からないような奇書を買う必要は絶対にありません。合格体験記にあれを書いている奴は、単なる見栄っ張りで絶対に自分で解いてなんかいません。自分も合格体験記を書いたことがあるので良く分かりますが、こと入学したばかりの新入生というのは、のぼせあがって、やってもないことをやったと書きたがるものなのです。

 やらねばならない問題数が多すぎないか? 多ければいいというものではないということは、常に考え続けてください。

 また、どの問題をやればいいのか悩んだ際には、ぜひ受験相談(yourmanifestojp@gmail.comまで!)していただければ幸いです。

○ 裏表学習法で解法を覚えよう!

▽ 丸写しをしないために

 さて、数学の勉強で一番大切なことをもう一度確認したいと思います。
 絶対に解答の丸写しをしないことです。

▽ 絶対丸写しをしないために

 絶対に解答を丸写ししないためには、なにが必要なのでしょうか?
 まず、答えを見ながら、ノートにかりかり書くことがないようにすればいいという考えから、私は、ルーズリーフの裏に、コピーしたチャート式を張ってみることにしました。

▽ 裏にコピーを張る

 この段階で、問題だけよんで、なにも張っていない面にかりかり答えを書き始めます。

▽ 裏返す

 一分考えてまったく分からなければ、裏返して、答えを読みます。これがポイントだと思ったところに線を引いてみても、何の意味も無いですから、後述するようなやり方で書き込みを入れてみましょう。

▽ 再現する

 一通り、解答の流れを記憶したら、一行ずつ、つまってもいいので、裏に書いてあったことを、表の何もない面に再現しましょう。

▽ 試してみる

 このとき大切なことが二つあります。
 一つは、計算はすべて自分の手で行うことです。どんな処理をしているのかが分かれば、あとで自分で計算することはできるはずです。それが出来ないのならば、教科書を教科書ガイドと一緒にやり直したほうがよほど実が大きいです。
 もう一つは、とりあえず、その後の解法がどんな流れだったかをうろ覚えでも覚えていれば、そのまま突っ走っていることです。とりあえず、自分が覚えていそうなところまで突っ走ってみて、岩盤にぶちあたったらまた裏返しをしましょう。

▽ 思考ではなく試行

 これは、数学という科目の性質を考えても理にかなった勉強法です。
 入試問題も含めて、数学は思考力が大切だといわれることが多いですが、実際には試してみる力≒試行力のほうがよほど大切です。
 とくに、実際に入試問題を解く段になると、いままで習得してきた解法をいかに組み立てるかが勝負になります。そのときに、教科書の解法から、一段上の解法を組み立てた裏返し数学の経験が活きるのです。

▽ 仮説⇒修正
 このように仮説を構築し、仮説を修正する経験は、入試でももちろん、他の教科でも活きてきます。
 よく、英語を得意にしたいなら国語を、小論文を得意にしたいなら数学を、ということを話す講師がいますが、これはあながち間違いではありません。一つの教科を極めても、偏差値60ぐらいで頭打ちになることがほとんどです。少なくとも入試直前までは、あらゆる教科をムダのない効率的かつ効果的な方法論でがんばってみることをおすすめします。

 実際、この数学にしても、私が高校認定試験のために教え子に手ほどきをしたのがきっかけで勉強法を極めることになりましたが、全教科、当初の二倍ほどの点数でパスした教え子は、その後SFC対策でもすさまじいスピードで成績を上げていきました。こうしたことからも、教科に偏らない努力は大切なことがわかります。

 もちろん、現実的にはそういった努力が難しいこともありますから、詳しくは私に受験相談(yourmanifestojp@gmail.comまで!)していただければ幸いです。

▽ 裏返す時間

 さて、問題を考え始めてから、裏返して解答をみるまでの時間については、一分だとか、五分だとか、分かるまで考えろとか、諸説ございますが、私は、さくさくとシャープペンシルを動かす音が止まったころ、つまりもうこれ以上試行ができなくなったころが解答を裏返す潮時だと考えています。

 それ以上、なにもせずに考えていても(あるいは考えるふりをしていても)、それほど頭が働いていないことがほとんどで、ムダにしかならないからです。

▽ 覚える時間

 解法の流れをおぼえた目安としては、それを見ないで諳んじて説明することができるかどうかということが大切になってきます。

▽ 再現する時間

 再現する時間は、自分で考える時間や、解答をごりごり写すだけの単調な時間よりも一気に過ぎていくようにかんじますし、実際に時間の節約にもなります。効率性から考えてもお勧めです。
 それでも、永遠に受験を乗り越えられそうな学力がつく見込みが無いという方は、お気軽に受験相談(yourmanifestojp@gmail.comまで!)していただければ幸いです。

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