場所は瀬戸内海のほぼ中ほどに周囲二里ばかりの小島があるんですが元々の名を北門島と言うそうなんです
この島がその名で呼ばれていた頃と言うのは藤原純友の昔でございまして、その頃瀬戸内海の名物といえば海賊だそうでそんな彼らが小島を北の固めとしていたことから「北の門」と呼んでおりそれが次第に「北門島」となったという謂れがあるそうです
また一説では旧幕時代にこの島の領主がこの島を流刑場にしたことから不吉な訛りを得て今の名になったと言われます
なので興味深いことに島の者はほとんどが罪人か海賊の子孫であるそうです
さて、そんな小島を現在ではこう呼んでおります
獄門島
監督 市川崑
主演 石坂浩二
原作 横溝正史
作家横溝正史の代表的なキャラクター金田一耕助を市川崑監督が映画化の第三弾
小説では金田一耕助二番目の事件となる「獄門島」です
夏にぴったりな作品です!
では内容を!
昭和二十一年
笠岡の港で一隻の船が吊り鐘を積み込んでいた
そしてその吊り鐘を見る三人の男たちが居た
左から獄門島の医者の幸庵(松村 達雄)、千光寺の和尚の了然(佐分利 信)と村長の荒木(稲葉 義男)だった
彼らは獄門島にある千光寺の吊り鐘を受け取るために笠岡に来ていた
そこに風変わりな風来坊がやって来た
彼は自分のことを金田一耕助(石坂 浩二)と名乗り獄門島への行き方を3人に尋ねるがその1人が了然和尚だと知ると紙を渡す
それは復員船の中で息絶えてしまった鬼頭千万太の絶筆だった
金田一の友人の雨宮と戦友だったことから託されたのだが雨宮も病気にかかってしまい金田一が代わりに了然和尚に渡しに来たのだとか
事情が分かり和尚と一緒に獄門島の網元である本鬼頭に行くことに
そこで従姉妹の妹の早苗(大原 麗子)と出会い彼女の兄の一(ひとし)の復員の話を聞く
その話をしている最中に同じ網元である分鬼頭の巴(太地 喜和子)が千万太の死を聞きつけやってくる
そんな話をしていると千万太の3人の妹月代(浅野 ゆう子)、雪枝(中村 七枝子)そして花子(一ノ瀬 康子)が現れるが金田一は彼女らを不気味にすら感じてしまっていた
三人娘がどこかへ行くといきなり野太いうなり声が聞こえてくる
声の主は千万太の父 与三松(内藤 武敏)だった
十年以上前に彼は気が違えてしまい座敷牢に入れ早苗が面倒を見ていた
その日の夜千万太の通夜が行われていたが花子が見当たらなかった
金田一はひとり千万太が雨宮に向けて言った言葉を思い出す
「おれが帰ってやらないと三人の妹たちが殺される・・・獄門島へ・・・行ってくれ」
金田一は雨宮に教えられた千万太の最後の言葉が重くのしかかってくる
通夜がひと段落してもまだ花子が見当たらないから和尚が役割を与えて花子を探していた
分鬼頭に探しに行っていた潮つくりの竹蔵(小林 昭二)と了然和尚の弟子の了沢(池田 秀一)と通夜の時に泥酔していた幸庵を送った金田一が合流した
その時に寺の方に向かう和尚の提灯が見え3人は和尚の後に続こうとする
先に寺に着いた和尚からいきなり了沢を呼ぶ声がし3人は急行
目の前には花子が逆さづりになって死んでいる光景が広がっていた
このおぞましい殺人はまだ序章に過ぎなかったのだ
花子を殺したのは、そして三人娘の命を狙っている人は一体誰か
という感じです
この映画も子供のころから大好きでずっと見ているんですが当然なんですが当時はなにがなんだか分かっていなくて金田一さんがふけを飛ばすシーンとか大滝 秀治さんだとか加藤 武さんが演じていたコミカルなキャラクターが魅力的で見ていたんですがある程度色々と知るとすっごい物語がいいですよね
古く悪しき文化かもしれないけどそれを守ってきた歴史とそれが崩れるっていうのが凄くいいって思ってしまいます
そんな今作ですがやっと最近原作を読みまして
そしたら原作と映画で色々と展開が違っていて何度も楽しませてもらってるんですね~
そして、市川崑監督は元々手塚治虫先生の「火の鳥」の映画化に取り組んでいた最中だった事もあってか若干それっぽい編集があったり、娯楽映画っぽく金田一さんがツタにぶら下がったり落っこちたり女性といい感じになったりとアグレッシブなので楽しめると思います
復員兵ではあるけど海賊とか出てきたりして夏っぽさもあるしね
本当におすすめです!!
ということで今回はここまでにさせていただきます
最後まで読んでいただき本当にありがとうございます
では!!