木村義雄「将棋一代」 (人間の記録)/木村 義雄
¥1,890
Amazon.co.jp
升田幸三、大山康晴のものと比べても一番厚かったです。もともと一冊の本であったものに加筆されたそうで、それだけに内容が濃かったです。木村義雄名人は将棋の歴史には欠かせない存在だと改めて思いました。

初代実力制名人にふさわしく徹底した実力主義で順位戦の創設にはすさまじいものを感じました。老齢の八段棋士と新進気鋭の五段棋士では実情が段位に反映されていないと一時は段位制まで廃止したほどでした。

全盛期の木村名人は常勝将軍と呼ばれ向かうところ敵なしでした。戦時中にやむなく中止になってしまった名人戦では名だたる八段棋士を香落ちで退けるという強さ。

様々な木村名人の考え方に触れて、王将戦の三番手直りに賛成だったのもうなずけました。

驚いたのは戦後に再開された名人戦の持ち時間が八時間の一日制だったことです。八時間といえば今の竜王戦と同じ持ち時間でそれを指し掛けなしで翌朝まで指しきってしまうのですからすごい気合だと思いました。

人気ブログランキングへ