本当の営業力とは、何か?


私が社会人になり、営業を始めた頃に、私の先輩で営業力にかなりの自信を


持たれていた人がいました。(以前の会社では有名な話なのですが。。)




彼は、いつもお客様に小まめに連絡をし、取引先の社長に対しても、良い意味では、フランクに


悪い意味では、かなり横柄な態度をとっていたのですが、特に社長からクレームが出るわけでもなく


むしろ、彼から電話が鳴ると喜んでいるようにさえ、見えました。



確かに、彼はポジショニングを取るのが上手な人で、初訪でも、臆することなく、堂々としており、


社長が席に座るなり、社長の身に付けているネクタイ、時計など、目にするものをすべてというぐらい、


褒めちぎり、それがあまり嫌味にならない人でした。



その姿をみて、いつも私は、関心していたのを覚えています。



彼の口癖で、「俺は、砂でも、石でも何でも売ることができる」と豪語しており、


新人だった私は、彼なら売るかもしれないと思ったものです。



ある日、彼は、またいつものように、”俺は何でも売れる”と言っていたので、

私は、どのように売るのか?実際に売ったことがあるのか?たずねてみました。


彼の答えは、”Yes”だったのです。



実際に、石を売ったことがあるらしく、その時の話を聞いてみると、


「社長この石を買ってください。この価値は無いかもしれませんが、私の価値を含めて

勝った欲しい!!」といったらしいのです。



さすがに仲が良いとはいえ、社長も断りましたが、彼は、同僚と賭けをしていたらしく、


なかなか引き下がろうとせずに、”買ってくれるまでは朝までいます”と訴えかけ、


そこを動かなかったらしいのです。



さすがに、社長もそれでは敵わんと思い、3万円でその石をしぶしぶ買ったというのです。


私は、その話を聞いて、すごいですね!といったものの、実際には少し違和感がありました。



その違和感とは何なのでしょうか?



それは、営業マンが自分の実力に過信する余り、お客様の信頼を裏切っているということです。



その社長は、これまでの付き合いもあったろうし、彼を信頼していたということもあります。


本当は、こんな馬鹿げた話は断りたいと思っているに違いありませんが、今後のことを


考えて、買ってあげたのではないでしょうか?



本来、お客様に信頼を受けて、一番困ったときや、相談したいときに、最初に連絡がくる営業マンが


本当の意味で、信頼されている営業マンです。



ただ、人として好きだとか、暇なので食事に誘うというは、信頼されているのとは、違います。


本当に信頼されていれば、相手のことを気に掛けて、少々の手間では、もしかしたら連絡しない

かもしれません。


営業力とは、相手に尊敬される、信頼を勝ち取る力がなければ、本当の意味での営業力とは

いえません。



石を売ったところで、一体誰が喜んだというのでしょうか??