3年前から思い描いた機会がついに訪れました!
零式、レーシングカート初体験です。
AUTOSPORTSスポーツカート耐久シリーズ
最終戦でチームメイトとなったうえださん。
9月のスポーツカート耐久レースではチームリーダー的な役割も務めてくださった方なのですが、そのうえださんのご厚意で、うえださんのレーシングカートに乗せてもらえる事になったのです。
その初走行の日となったのが11月の14日。はじめは11月7日にしようかという話だったのですが、その日はチームが遠征の準備をするということで、スタッフの方が忙しいだろうと言う事から14日に決まったのでした。
スポーツカート耐久からはちょうど一ヶ月程度なのでモチベーション的にも悪くなく、なかなかメンタル的にはコンディションの良さそうな一日になりそうでした。
・・・ですが!そんな気持ちとは裏腹に当日の朝は雨!雨!雨!
横から殴るような雨が叩きつけます。走行は午後からだったのですが、もちろん路面はフルウェットの状態になってしまいました。
うえださんと、うえださんの会社の知人だというNさん。それから私の3人でサーキット入りです。
私はいずれのことも考えて、走る前の下準備を勉強しながらもくもくとクルマを準備。
その作業工程は素人目にはとても多く、難しく見えて、慣れるまでが大変だと思うのと同時に一人でできるようになるかも少し不安だった。焦らず、言われた事を確実に覚えていこうと思う。
たしかこのときはアルファノ装着・燃料の混合・タイヤのエア圧をチェック~ぐらいの事は覚えてた。エア圧に関しては、2回目の走行のときまずエアの入れ方がなっておらず。うむぅ。早く覚えなきゃな・・・
そしてマシン準備も出来上がり、いざ走行へ!
まずうえださんが様子見のためにマシンに乗り込みます。特に問題が無さそうだったら、次は私が乗ることに。
サーキット入りしたとき路面は完全ウェットだったのですが、走行開始時ぐらいには路面がまだらに乾き始めていたので、少しだけ迷ってスリックタイヤで走ることにしました。ところがこの選択が間違いだったようで、帰ってきたうえださんが一言。
「見た目以上に水は残ってる。タイヤ変えないととても走れない。1コーナーコントロールラインのずっと手前からアクセル抜かなきゃ曲がらないよ!2回目の走行行く?すんごく恐いよw」
しかし。タイヤを変えていたらせっかくの走行時間が減ってしまうと思い、私は強行を決意!
心なしか心配そうだったうえださんを尻目に、私はコースインしていきました。
レーシングカート初走行。
雨スリックです。
これが今思えばあまりに無謀すぎた・・・
レンタルしか経験したことのなかった自分にとっては2st100ccのパワーはまさに恐怖体験と言ってもよかった。
あぁ、一応補足ですがフルウェットです。さらに補足ですが、スリックタイヤです。
クルマを振り回しているつもりはないのに軽々とホイールスピンするタイヤ!アウト側へ『飛んで』いくテール・・・なんとかコースアウトは免れました。2周、3周と無事に周回をこなし、若干のオーバーステアを出したまま4コーナーを立ち上がったところで危険を感じ、ピットイン。ドライバー交代へ。
なんとか無事に戻ってくる事が出来ました・・・
おかださん「どうだった?w」
感想を聞かれる私。
「とにかくパワーがすごいですww」
「あとは、アクセルのバネが弱いのが恐かった。アクセル触っただけでほんとに”飛んでく”し・・・あと、ペダルの位置自体もすごく前にありましたからコントロールが難しいですね」
「それはね。足が悪いww」
「ひいいいいいいwwwww」
ペダルの位置。バネの強さ。これは私にとっては結構切実な問題だった。もちろんパワーの問題もあるのだろうけど、レンタルだったらもっとのびのびと運転できるし、姿勢を乱したときのコントロールも繊細に出来る。あとは、レンタルだったらアクセルオフがもっと素早く出来るのが、このペダル位置ではそれもきつい。しばらくはこのドライビングポジションに慣れることにポイントを置かなきゃな・・・
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走行二回目ではレインタイヤに換装してコースイン。1コーナー2コーナー。アウトラップを順調にこなした。
スピードにはまだ慣れきっていないが、コーナーへのアプローチはだいぶマシになった。
そのとき私はこのマシンを少しだけ、思うように扱えるようになったと思った。
これが本日最大の失態の始まりでした。
『最終コーナーノブレーキングを少しだけ詰めてみよう』
そう思ってしまったのです。
フルスロットルから減速の準備。ブレーキに『触った』その瞬間!!
曲がる方向とは逆に向きを変えて滑っていく。
『カウンターステア』とか、そんな小細工を考えている余地は無く。
一瞬のうちにタイヤバリアに吸い込まれ、気がついた時にはマシンの至る所に芝が付着していました。
うえださん、ごめんなさい!!
クラッシュした直後にピットに送ったサイン。あまりにも鮮明に頭に焼き付いてる。
最悪。死にたい。
自分のマシンならともかく、せっかく乗せてもらった人のマシンなのに、どういう神経なのだと、ただ自分を責めました。
「体は大丈夫?首がすごい揺れてたから」
「体はどうでもいいです。それよりマシンは?」
うえださんに体を心配される。それよりも私はクルマが大丈夫なのかが心配でしょうがなかった。
「クルマは別にいいんだよwそれよりもコースに砂巻いちゃいけないから掃除はしっかりやろう」
申し訳ない気持ちしかない気持ちしか頭にない状態ながらも、マシンに付いた泥や芝を掃除した。
はやくマトモに走れるようにならなきゃ・・・!
そして走行3回目。これ以降はタイヤはドライに戻して走っていたような気がする。
スピンは2回ほどした。しかし、それほど無理な走りはしなかったのでバリアにクラッシュなんてことはせずに済んだ。って、これは当然だっての・・・
ひとおおり走り方も掴み、アルファノに表示されるタイムを確認しながら、走りを磨いていく。
32秒台後半。そして中盤まで入れた。
ここでドライバー交代をはさみ、再度アタック!
タイヤは温まっている状態だったのでイキナリ飛ばす事が出来た。
1コーナー真ん中ぐらいまではフルスロットル。2コーナーへ回り込むところで、姿勢を乱しそうになるが頑張って強くブレーキングし、2コーナーの縁石をクリッピングポイントにとりながら、滑らかにアウトにラインを孕ませていく。
3コーナーは縁石を越えたらすぐブレーキング。くれぐれも制動中のステアは少なく!
4コーナー、そして最終コーナーを抜けてホームストレートに戻ってきた。
31秒台だ!入った入った。かなり挙動を掴んできたぞ。
そのままのコンディションを維持し、ドライバー交代を繰り返しながらラップを重ねた。
感覚的には数百ラップ。実際には数十ラップだったのだろうがw
黙々と走行を続ける。タイム的には31秒台中盤~後半ぐらい。
この時点で走行時間はもう終わりに近かった!しかし、そんな事はその時は考えていなかったので、構わず自分の限界で走り続けた。
最終的にこの日。レーシングカート初走行で記録したタイムは31.06。
AKMTさんにお話を伺ってみたところでは
「このワケわかんないコンディションで31フラットが出れば上出来だよw俺なんか最初に走ったとき、
これよりも全然良いコンディション+完全ドライで、31秒前半止まりだったからねw」
ご本人は謙遜されていましたが、AKMTさんは実際この走行日、夢のように速かったです!
これから練習しても追いつけそうにないんじゃないの、って思うぐらい。
でも今回はタイムがどうとかじゃないよね。まずは経験できた事が大事!
うえださん、本当にありがとうございます!
これからなるべく早く、たくさんのことを勉強しなければ!と、
なんとなく舞い上がった気持ちで家路に付いたのでした。
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12/26(土)
2回目の走行日がやってきました。
天候が心配でしたが、雨は降ることは無く。ドライだ!
うえださん。めいっぱいペダルを前にしてもやっぱり足が届きづらく、シートの内側にゴム製のブ厚いプロテクターを取り付けます。
これでペダルポジションがピッタリになるのだそうです。ゴム製なのでこれ自体がクッションになってくれ、リブプロテクターもいらず、と。
ここでも走る前の準備をおさらいです。
・タイヤの空気圧をチェック。
・チェーンの張りをチェック。 →エンジンマウント位置を調整する。
・燃料を作る。
・ノイズボックスを外す。
・キャブレターを塞いだ状態でセルを回し、燃料をエンジンに吸わせる。(スターター付きエンジンなので。)
このぐらいか。全部一人で出来るようになるか?道は長い・・・
今回は午前中のセッションからの走行。夕方になるまで一日中走ります。
1回目の走行、うえださんは走らないので、私がセッション終了まで走って良いと言う。
ので、準備が出来次第即走行へ。コースインしようとする。
1コーナー。アウトから回りこんで本コースへ入ろうとする。が。
全然曲がらない!片輪を芝生に落としてしまった。
陀角が足りなかったのか?私はそう思っていました。しかし違ったのです。
真冬の気温+1回目のセッションでグリップレベルは私の想像を遥かに下回っており、
私のイメージしたスピードではピットロードすら曲がれないほどグリップが低かったのです。
何かイヤな予感が・・・そう思って2周。やっぱり大丈夫かな・・・?
そう思って、飛び込んだ最終コーナー。
悪夢は再び起こります。
前回とほとんど同じだった。ただひとつ違ったのは、路面。
ドライだから、あのときとは違ってちゃんといけると思ったのだ。しかし、実際には状態の悪い路面で、コンディションは結果的にそれほど変わらなかったのである。
2周を回って飛び込んだ最終コーナー。タイヤをロックさせ、コーナーとは反対向きに一瞬のうちに『飛んで』いった。
デジャヴだ。バリアにぶつからないだけマシだった。
素早くマシンを掃除してまたコースインする。
・・・学習しないのか私は・・・!!
はやる気持ちでコースを周回する。ヘアピンでアウト側の縁石を『越え』て、プッシュする。
その次のラップ。今度はヘアピン、止まりきれずに直進しそうになった。
向きを変え、クルマが切れるまでまって、コースインする。が。その時!
マシンは加速しないで、エンジンだけが唸った。駆動系だ。
ヘアピン外側の一番危険なところにストップしてしまった。
ピットに戻って、焦って走っても得るものは何も無いことを実感させられる形になった。
ヘアピンでアウト側にの縁石を越えたのが原因で、ドリブンスプロケットを曲げてしまったのだ。
ただただ自己嫌悪。初走行のときとおんなじようなスピンをしておいて、スプロケまで・・・
その後の走行でも3コーナーでわずかに縁石に乗り上げた。そのときはすぐにピットインして「大丈夫ですかね?これ・・・」と聞きに言ったのだが、それに対する返答は「大丈夫でしょwまだ走行時間あるからいってきなー」。
チェーンにはしっかりと縁石に塗ってある青い塗料が付いてるんですが・・・;;;結局今度は、微妙に歪んだスプロケにチェーンが耐えられず、切れてしまった。
スプロケ2枚交換+チェーン交換です。
このことに関してはうえださんは「過ぎたことだからあんま気にし過ぎんな」と声をかけてくれましたが、この一連の出来事をこの日はかなり引きずってしまっていたと思う。うえださん本当にゴメンなさい。もっと丁寧に走れるように・・・
さてタイムの方はどうだったのかと言うと。
確かに最初はウェットの時と変らない、もしくはそれ以上に遅いタイムで巡航していたと思う。
しかし、4コーナーと最終コーナーのブレーキングポイントを頭に入れることが出来たおかげでさらに走りを磨く事が出来ました。
調子が良くなってきた事が実感できたのは3回目の走行ぐらいだったのかな。
31秒台はすぐに切り、30秒台で巡航。今年の走り納めということもあり、かなり台数が多くて常に肝を冷やした。
前回の走行ではオーバーテイクをすることも無かったのだが、今回は自分より遅いクルマが何台か居たので、オーバーテイクの感触を掴む事も出来た。
経験地の量としては2回目の方が多かったのかな。ブレーキングポイントを覚えられたのが、走ってる最中すごく快適で。
結局ベストタイムはアルファノ読みで30.28となりました。個人的には29秒台に入れるつもりだったのですが、さすがにそれは目標が高すぎたのでしょう。
AKMTさんらも、29入れたら相当凄いよ、とおっしゃっておられたので、如何に自分が高いハードルを設定していたのかが窺い知れる。
とりあえずは、タイヤが暖まっていないあいだの走りを覚える事。(ウォームアップは3周!)
今回覚えた事、特にブレーキングの感触は重要かな。(4コーナーと最終コーナーはそれぞれブレーキングポイントと思わしきところにラインが引かれている。4コーナーはラインのちょっと手前から徐々に詰めて行き、最終はラインに乗ったところから。)
今回体験した事を確実に体に染み込ませて、次に生かせるようにしたいですね。
今回のような貴重な体験を提供してくださったうえださんには本当に頭が上がらないのと同時に、本当にスミマセンでした;;
タイヤが温まっていないときの走り方。しっかり覚えこませて次に行かしますので・・・;
次はいよいよ目標29秒台か?
いやいやこれから寒さは本番だってのに、それこそ高いハードルでは・・・