特撮ファンを自認するぜろせっとですが「仮面ライダー」は別格。
故に戦隊モノはルーティン化していた(並びに販促)巨大ロボ戦に辟易していたこともあり、一段下にみていた時期がありました。
しかし、時代は変わった。
作品性が感じられない、オモチャ売りに日和ったライダー作品とは違い、ここ数年の戦隊は毎年捨て身の勝負を賭けている。覚悟が違う。
そんな斬新な作品群が続く、東映戦隊シリーズの先駆けが『機界戦隊ゼンカイジャー』(2021)であり、平成第一期仮面ライダーシリーズを彷彿させる『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(2022)。
この異色な二代作品が激突(!?)する毎年恒例のVSシリーズ『暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー』。東映サブスクに追加されたこともあり、遅ればせながら初観賞。さあ...楽しませてくれよ!!
(2023年公開 上映時間 1時間 監督 渡辺 勝也)
ストーリー
並行世界をめぐる旅から戻ってきたゼンカイジャーたち。しかし、ゼンカイトピアは新たなカシワモチワルドと柏餅王となったゾックスに支配されていた。
一方、ドンブラザーズの世界では、記憶が戻ったタロウが喫茶「どんぶら」を訪れるが、メンバーたちはドンブラザースを脱退しようとしていた。
感想
本作はかつてのVSライダー映画のように、両戦隊のパートが別々で進み、最後で共闘する三部構成。これはやはり大正解。
あまりに個性が強すぎる両作品。どちらかがオーソドックスな作風でしたら、そっちがドタバタに巻き込まれるクロスオーバーを楽しめたのでしょうが、これをムリに混ぜたらどちらの良さも中途半端になっていたでしょう。
とはいえ結果として、内容はフツーのTVシリーズ追加話。特にゼンカイジャーはビックリするほどの通常運転。まあ久しぶりに観たので、当時の懐かしさを楽しめましたが。
ドンブラはあの感動の最終回(再観賞してまた涙...)以降のエピソード。普通はエモーショナルな再会話にしそうなものですが、さすがは井上大先生。そんな期待をアッサリ裏切る、おいおい君たち!!の展開へ。
特にサイコパスだったジロウが、さらにヒドイ奴になっていたのは呆れるというか笑えるというか...マジで戦隊ヒーローとしてありえない人物。子供は絶対好きにならないでしょうけど、こういう毒キャラはタマリマセンねホント♪
ただ、これまで謎だった事項の答え合わせを期待していたのに、そこはあっさりスルー。これはか~な~り物足りない!
また本来はお祭り作品なのに、ラスボス的存在や黒幕は皆無。しかも巨大ロボ戦もスルーとなんともあっさりした作風。誕生日やクリスマスにいつもと同じ夕食が出てくる日常感だったワケですが...
なんと最後に驚きのバットサプライズ。昭和の日本映画如き展開に打ちのめされること必至です。
満足度 60点