劇場でこそ観るべき映画があります。

『レイダース／失われたアーク《聖櫃》』『ジェラシックパーク』『プライベートライアン』『マッドマックス怒りのデス・ロード』『トップガンマーヴェリック』etc。これらの映画を劇場で観れた自分は幸福です。

スクリーンならではの大迫力、臨場感のある音響設備、そして劇場だからこその没入感。まさにあの日あの時、最高の映画体験を得ることができたのですから...

「それが何故、この映画を劇場で観てねぇんだよ。ガッデムっ!!」(蝶野正洋風)

なんたる失態、一生の不覚。この大いなる機会を逃した、まさに自分を呪いたい!!

そこまで言い切れる大傑作。それが本作『NOPE/ノープ』なのです。

※ネタバレありです。ご注意下さい!!

(2022年　上映時間 2時間10分　監督　ジョーダン・ピール）

亡き父から、牧場を受け継いだOJ(ダニエル・カルーヤ)。父親の不可解な死の直前、雲に覆われた巨大な飛行物体のようなものを目撃したことを妹エメラルドに明かす。

彼女はこの飛行物体を撮影し「バズり動画」で大金を稼ぐことを思いつく。しかし、想像を絶する事態が待ち受けていた。

ネタバレ嫌いのため、予告編以外の情報はほとんど仕入れなかった本作。

観賞前は昔ながらのUFOもの。いわゆる「アブダクション」(宇宙人による誘拐)体験を描いたSFスリラー映画だと思っていました。というか、フツーそう考えますよね?

それが違う。全然違う。

エブァの「使徒」、東宝怪獣「ドゴラ」、そしてサメ映画の古典であり頂点『JAWS/ジョーズ』。

それらが三位一体となった超モンスターパニック映画。それが『NOPE/ノープ』の正体なのだ～!!(あくまで個人的感想)

しかも、これらが最高の映像、ハイクオリティで濃密に展開!! そして映画の根底に流れる「ザ・JAWSイズム」。

サスペンスタッチで明らかになっていくその正体。徐々にその実体があらわになり、その全貌が明らかになった時の衝撃ときたら、もう!!

それに加え、みんなまとめて阿鼻叫喚の地獄絵図。子供だからといって救済措置などありません。

とはいえ、陰惨な映画ではなく、魅力ある登場人物たちがチームとなり、果敢に立ち向かっていく姿はまさに「オルカ号の三人組」(本作は4人ですが)。大活劇的側面もガッツリ備えた本作。

眼前に広がる映像は、非日常のはずがリアルそのもの。その上、後半の疾走感もハンパない、退屈知らずの最強モンスターパニック映画。

自分的には令和版『JAWS/ジョーズ』です!!

満足度　80点(劇場で観たら多分100点)