忙しくなるほど、生活は後回しになりやすい
仕事が立て込んでいると、朝食は急いで済ませ、昼休みも仕事に追われ、帰宅する頃にはぐったり。「今日は忙しかったから仕方ない」と夜更かしをして、翌朝は寝不足のまま一日が始まる。忙しい時期には、そんな日が続くことがあります。
健康のためには運動したほうがいい。食事にも気をつけたい。睡眠時間も確保したい。分かってはいても、ただでさえ忙しい毎日に「やるべきこと」を増やせば、続けるのは難しくなります。
だからこそ、忙しい人が生活リズムを整えるときは、健康のための予定を増やすのではなく、迷わず続けられる行動をいくつか決めておくことがポイントです。
完璧な一日を目指すのではなく、忙しい日でも大きく崩れない生活をつくっていきましょう。
生活リズムが乱れると「その場で決めること」が増える
起床時間も食事の時間も就寝時間も毎日バラバラだと、「朝食はどうしよう」「昼は忙しいから抜こうか」「今日は運動できるだろうか」と、その都度考えることになります。
一つひとつは小さな判断でも、仕事や家事ですでに余裕がない日に何度も繰り返すのは負担です。
そこで、生活の中に「いつもの行動」をいくつかつくっておきます。たとえば次のようなものです。
- 起床後はカーテンを開けて朝の光を浴びる
- 昼休みには一度デスクを離れる
- 帰宅後はダラダラする前に入浴する
- 決めた時間になったら仕事やスマートフォンを終える
毎日細かなスケジュールを管理するのではありません。「これだけは普段通りにする」という基準を持っておくことで、忙しい日にも生活を立て直しやすくなります。
最初に整えたいのは「起きる時間」
生活リズムを変えようとすると、「今日から早く寝よう」と考えがちです。しかし、残業や家事、家族の予定などによって、毎日決まった時刻に眠ることが難しい人もいるでしょう。
そこで一つの基準にしやすいのが、起床時間です。
厚生労働省の睡眠に関する情報でも、規則正しい生活や朝の光は体内時計を整えるうえで重要とされています。
最初から早朝に起きて運動するといった大きな目標を立てる必要はありません。
- 平日と休日で起床時間を極端に変えない
- 起きたらカーテンを開ける
- 朝の支度をできるだけ同じ順番で行う
まずはこの程度で十分です。
「理想的な朝」をつくるのではなく、一日のスタート地点を大きく動かさないことから始めると、忙しい人でも取り入れやすくなります。
食事は「忙しい日の定番」を決めておく
余裕のある日は、自炊をしたり栄養バランスを考えたりできます。問題になるのは、食事を考える余裕さえなくなるほど忙しい日です。
昼食を抜いてしまい、夕方には空腹で集中できない。帰宅後にお腹が空きすぎて、手近なものを一気に食べてしまう。こうしたパターンに心当たりがあるなら、忙しい日用の選択肢をあらかじめ用意しておく方法があります。
たとえば、
- コンビニでは、おにぎりなどの主食だけで終わらせず、卵・魚・豆類などを使った商品や野菜料理を組み合わせる
- 外食では、単品料理だけでなく主食・主菜・副菜を組み合わせやすい定食を選ぶ
- 朝に時間がないなら、すぐ食べられる食品を事前に用意しておく
毎回「理想的な食事」を目指す必要はありません。
忙しくなったときに何を選ぶかをある程度決めておけば、その場の勢いだけで食事を済ませることを減らしやすくなります。
運動は予定に追加するより、今ある行動にくっつける
忙しい人が「健康のために運動しよう」と考えたとき、週3回のジム通いや毎日30分のトレーニングなど、大きな目標から始めてしまうことがあります。
もちろん続けられるなら問題ありません。しかし、新しい予定を増やすことで生活がさらに窮屈になるなら、別の方法を考えたほうが現実的です。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、個人差を踏まえながら、今より少しでも多く身体を動かすことが推奨されています。
そこで、普段の生活に小さな動きを追加してみます。
- 通勤や買い物で少し多く歩く
- エスカレーターではなく階段を使えるときは使う
- 昼休みに5〜10分程度歩く
- 入浴後や歯磨き後に軽くストレッチする
30分の運動時間を確保できないから何もしない、ではなく、できる日は多く、忙しい日は少なく。生活に合わせて量を調整できる形にしておくことが継続のポイントです。
夜は「何をするか」より「どこで終えるか」
忙しい日の夜は、意外と生活リズムが崩れやすい時間です。
ようやく仕事や家事が終わり、「少しくらい自分の時間がほしい」とSNSや動画を見ているうちに深夜になってしまうこともあります。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人について個人差を踏まえつつ、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。
睡眠時間を確保するには、「何時に寝るか」だけでなく、その前の行動に区切りをつけることも大切です。
- 23時になったらパソコンを閉じる
- 入浴後は仕事のメールを確認しない
- ベッドに入ってから動画を見続けない
自分に合ったルールを一つ決めるだけでも構いません。
夜の時間を際限なく延ばさず、「今日はここまで」という境界をつくることで、翌日の生活リズムも守りやすくなります。
忙しい日用の「最低ライン」をつくっておく
毎日同じように過ごせるわけではありません。残業する日もあれば、家事が重なる日や予定外の用事が入る日もあります。
そこで役立つのが、通常の目標とは別に「忙しい日の最低ライン」を決めておくことです。
たとえば、
- 運動する余裕がなければ5分だけ歩く
- 自炊できなければ、あらかじめ決めた食事の組み合わせから選ぶ
- 帰宅が遅くなった日は、ほかのことを減らして睡眠時間を確保する
余裕がある日はしっかり取り組み、忙しい日は最低限に切り替える。こうして「続け方に幅」を持たせておけば、一日できなかっただけですべてを諦める必要がなくなります。
生活習慣は、一度も崩さないことよりも、崩れたあとに戻れることを意識したほうが続けやすくなります。
編集部コメント
忙しい人ほど、「時間ができたら身体を整えよう」と考えてしまいがちです。しかし、仕事や家事が完全に落ち着くのを待っていては、いつまでも始めるタイミングが来ないかもしれません。
生活リズムを整えることは、毎日決められたスケジュールを完璧に守ることではありません。起床、食事、身体活動、睡眠の中から、忙しくても大きく崩したくない基準をいくつか決めておく。それなら、今の生活を大きく変えずに始められます。
