~その生徒は、面倒な仕事を抱え込む~
今日は普通に暑い。
夏休み明けだから当然だが、ものすごく暑い。
・・・・・休みにしてほしい。
なんか・・・・・こう・・・・・そうだ、「猛暑休み」みたいなのが欲しい。
多分、今ドラ〇もんより欲しいと思ってる。
・・・・・無駄なことを考えてきながら今日も登校してきてしまった、「霧雨学園」。
「猛暑休み」の件については政治家になったときに国会で話す事にしよう。
とりあえず、教室に入って自分の席に座る。
「おぅ、お前も登校するの早いな!!」
黒坂君が話しかけてきた。
隣の席なので、嫌でも話す事になる。
「・・・・・毛虱(けじらみ)が」
「いきなり暴言はかれた!?何でそんなに嫌われてんの!?」
「え!?毛虱が・・・・・喋った!?」
「やめてくれる!?お前大人しそうな顔して外道だな!!」
大人しそう・・・・・よく言われる。
昔から言われていたから慣れてしまってはいたが・・・・・やはり「今」聞くととっても心外だ。
気付くと、黒坂君が心配そうな顔をして僕の顔を覗き込んでいた。
「な、なんか変なこと言っちゃったか?」
黒坂君は無駄に優しいやつだ。
変態発言さえしなければ付き合えるだろうに、と思う。
「大丈夫。変態さん」
「うわっ、前言撤回したくなった!!」
黒坂君はよく、前言撤回なんて言葉も使う。
・・・・・口癖なんだろうか。
すると、突然黒坂君が「そうそう」と何かを思い出したように言う。
「さっき、学級委員は昼休み集まるようにって先生が言ってたぞ。まぁ、朝のホームルームでも言われると思うが」
「・・・・・黒坂君のせいで嫌な事2回も聞かなくちゃいけないじゃんか」
「う・・・・・これは謝るよ。ごめん」
「ちょ、ちょっと!!そんなに土下座しなくても!!」
「えっ!?俺土下座してねぇよ!?」
なんか、後々役立つんじゃないかと思って言ってみた。
PS この日の話が小説化したとき役立ちましたw
「ところで、土下座しすぎて床に頭がめり込んでいる黒坂君」
「そのめり込み具合は頭、骨折してるよ!!ていうか、土下座すらしてないし!!」
「あ、酸素原子だ」
「話ごまかすな!!ていうか見えるのかよ!!」
「あ、ごめんごめん。窒素原子だった」
「どっちも変わらないよ!!」
「何を言ってるんだ!!OかCぐらい違うじゃないか!!」
「化学記号的にはね!!・・・・・はぁ、疲れたよ」
「疲れた?」
「あぁ。お前と話すといつも疲れてる気がするよ」
「それはね、生きてるっていう証拠なんだよ」
「うん。なんでこんなとこで命の大切さについて考えなきゃいけなかったんだろうね」
すると、朝のホームルームが始まるチャイムが鳴った。
黒坂君と話すとどうも時間が早く感じられる。
「さて・・・・・嫌な報告をもう一度聞くか」
「すいませんねぇ!!」
そして、僕は嫌な報告をもう一度聞く羽目になる。
※
「なんて面倒な・・・・・」
僕は困っていた。
朝のホームルームが終わり、僕は嘆息する。
「まぁ、仕方ないじゃないか。学級委員なんだし」
黒坂君が隣で話しかけてくる。
「学級委員がこんなにも大変だとは・・・・・」
「えっと、確かクラスに馴染めない人を率先して馴染めるような空気を作るだったか?」
そう、そんな面倒くさい事を昼休みに使うというらしい。
「なんて有意義じゃない昼休みの過ごし方なんだろうか」
「うん。その発言も若干失礼な気がするから謝っておこうか」
「・・・・・・本当に申し訳ありませんでした。でも、悔いはありません」
「悔い無いの!?その一言は余計だったよ!!確実に!!」
「しかし、このクラスで馴染めていない人なんていない気がするけど・・・・・」
そう言って、辺りを見回してみる。
何人かは教室から出て違うクラスに行ったり、廊下に出てたりするものの、どこかのグループに所属している人間だ。
馴染めていないやつはいな・・・・・・・・・・・。・・・・・あ。
「黒坂君。クラスに馴染めるように学級委員である僕が頑張るからね」
「え、俺に言ってんの!?俺このクラスに馴染めてるよ!!」
「自分ではそう思ってても馴染めてないから」
「そうだったの!?え、俺このクラスに馴染めてない!?」
黒坂君がショックを受けていた。
面白いなぁ。本当にこれが学級委員の仕事だったらいいのにな。
そんな事を考えながら次の授業の準備をしていると。
「・・・・・そういえば、棚木ってこのクラスで俺以外と話した事のある奴いる?お前が他の人と話してるところ見たことないから・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・まさか」
「今日の昼休みは有意義に使えそうだな」
「・・・・・棚木」
なんか、妙に黒坂君に哀れみの目を向けられた気がするが・・・・・僕はこのクラスに馴染むと決めたんだ。
今日から僕の目標は「クラスに馴染む事」だ。
・・・・・それが学級委員かよ、とかって声は聞こえない。