『ゆにアンソロ』を頂いた。
まず、表紙の可愛さと紙の手触りに心を掴まれた。
こんなアンソロジーなら参加してみたい!
と思わせる魅力的な作りだ。
 

 
ゆに公式サイトには、ゆにの活動方針が以下のようにかかれている。
 
ゆには、川柳を中心にことばの魅力を新しいスタイルで楽しむ会です。 
毎月の新作発表も、句会も、イベントもすべてウェブで、オンラインで。
 だから、どなたでも、世界のどこからでも参加自由です。
さあ、あなたも一緒に、ゆに。
 
 
時代の中で誕生すべくして誕生したユニークな活動の形。
そこに集う表現者もみんな楽しそう。
代表は芳賀博子さん、副代表は西田雅子さん。
キャッチコピーは「川柳、いいかも」
 
このアンソロジーが届いて、そこに楽しそうに、幸せそうに、
表現者の作品が並んでいるのを見て、
「川柳、いいかも」と改めて思った。
 
私は編集者なので、一冊の本を作り上げる過程で関わってくださった方々の
「いい本を作りたい」という情熱が、著者の作品をより輝かせていくことを
身をもって体験してきた。
だからこそ、紙媒体は愛おしい。
ゆにが紙媒体のアンソロジーを作ってくださったこともうれしかった。
 
ことばって、書かれている情報、意味、表現だけで印象に残るわけではない。
横書きか、縦書きかでも違うし、実態を伴った活字としてどんな紙に
印刷されているか、どんな箱(デザインを含めた造本)に入っているかでも、
その表現されたことばから受け取る印象は変わる。
わたしはいつもそう感じている。
 
ゆにアンソロにならんでいる川柳作品たちはみんな幸せそうだった。
私は幸せそうなことばを見るのが大好きなので、
ゆにアンソロはすぐにお気に入りになり、
毎日、ちょっとずつおいしいお菓子を食べるみたいにして
読み進めている。
 
  論破にはいたらず水色のけむり
  どのパンにはさんでみても芒原
  地上絵は未完 戻ってくるはずだ    芳賀博子
 
  こんとんを包む一枚のハンカチ
  夢殿がまだ風の船だったころ
  さよならのかたちに星座組み直す    西田雅子
 
ここ数年間、私事の比重が生活の中で増大し、なかなか意識が言語世界へと
向かなかった。
これからは、ゆっくりとたくさんの「ことばの不思議」と出会いたいと思う。