僕がある小学校で算数専科として働いていたときの話です。
当時は中学年の算数の少人数展開で、
成績が上位層の子達を主として受け持っていました。
その学年の男子は落ち着かない子供が多く、
特に片方のクラスに関しては
・担任の授業の際にはすぐ立ち歩くし、
・すぐ廊下に出ていくし…
俗に「学級崩壊」と呼ばれる状態でした。
じゃあ、そんな子達が算数教室に来るとどうなるか…。
立ち歩くこともなく、
ずっと席に座っていたし、
手も上げるし、
真面目に授業を受けていられるんですよね。
算数の授業を終えて、学級に子供たちが戻ったあと、
その学級の前の廊下を通ると
ほんの10分前まで普通に授業を受けていた
子供が立ち歩いていて思わず「同一人物?」
と思ってしまうことがしばしばありました。
この差はなんだろう??、、、と思ったときに、気づいたのが
「下丹田」です。
担任の先生は優しいけれど
「頼りがいがある」とは言えない状態だったんです。
では「頼りがいがある」とはどんなイメージでしょうか?
・何か問題があれば俺が責任とるからどんとやってこい!
と言ってくれる上司
・◯◯一筋という職人気質のおじちゃん
・困ったらこの人に聞けば大丈夫!!と思えるようなベテラン
…
いろいろと限りなく出てくるとは思いますが、
共通項として
「ドッシリしている感じ」
「安定感」
などが当てはまりませんか??
この「ドッシリしている感じ」「安定感」を出すのが丹田(以降「下丹田」と記載します)です。
下丹田というのは武道では馴染みがありますが、
ハラが据わる
肝っ玉(きもったま)
という言葉に変えてあげると
イメージしやすい方が多いかもしれませんね。
いずれにせよ、
下腹部のあたりがどっしりと安定している状態を
下丹田が入っていると言います。
逆に「地に足がつかない」という言葉があるように
下丹田が入っていないと落ち着きがなくそわそわしがちです。
『心身は繋がっています』
物理的に下半身が安定していないと
心も安定感がなくなり
人から「頼りがいがない」と認識されてしまいます。
つまり、先ほど登場していただいた担任の先生は
下丹田が入っていない状態なんだなと気づいたのです。
子供たちに「この先生についていけば大丈夫!」と
思わせたければ下丹田を入れることをお勧めします。
下丹田を入れるワークを紹介するのでぜひ、
実践してみてフィードバックをとってみてください。
下丹田を入れるワーク
おへその指3、4本下のあたりが下丹田の位置の位置です。
①骨盤を立て、楽に座り、座りやすさを確認します。
下丹田の位置に両手を握り拳を当てておきましょう。
②下丹田の位置から下腹部全体に向かって
鼻から息を吸い入れます。
③一度鼻から全て吐きます。
④同じように下腹部全体がパンパンに膨らむように
息を吸い入れます。
⑤下腹部の膨らみを保ったままに息を吐いていきます。
最初は難しいですが、横隔膜を下に下げながら
吐いていくイメージです
(このとき肩が上がりやすいので注意しましょう。)
⑥吐き切ったらお腹の力を緩めます。
⑦ ④〜⑥を1、2分繰り返していきます。
※慣れてきたら
吸う時に下丹田に息が集まっていくイメージ
吐く時にこの下丹田が下の方にズシっとしていくイメージ
を入れていくとより効果的です。
⑧終わったら下丹田の感覚を確かめてから、
座りやすさを確認してみましょう。
最初よりもズシっと座りやすくなっている感覚や
土台が安定したことにより上半身の力みがなくなった感覚
があれば下丹田が入った状態です。
そして、さきほど
下丹田が入っていないと落ち着きがなくそわそわしがち
と書きました。
「落ち着きのない子供」というのも
下丹田が入っていないといういうことなのです。
そのため、
「頼りがいのある先生」になるためにも、
子供が落ち着いて活動に取り組むためにも、
下丹田は必須といえます。
僕は自身では下丹田を入れるワークを複数行いつつ、
授業のときは気功技術「下丹田」を子供たちに
封入するようにしています。
ぜひ下丹田を入れた状態で、より良い学級経営・活動に
生かしていってください。
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