前回記事(その171)に引き続き都知事選2024等の考察を。
■7月7日は選挙デー?
都知事選が大注目だった今年の7月7日であるが、実は全国で首長選も含め多数の選挙が実施された「選挙デー」的な日でもあった。
ワイがチェックできたうち、「無党派候補同士の争いで党派性が不明?」みたいなのを除いた選挙結果を、ざっとリストアップしたのが以下、
■神奈川県・綾瀬市長選挙
綾瀬市長選挙、橘川佳彦氏が初当選 自公推薦、組織力で新人4人の混戦制す
自民が当選
■京都府・京都市議会議員補欠選挙(定数1)
自民が当選
維新の現職が「健康上の理由」で辞職したことに伴う選挙で、自民、立民、維新、共産の4名の候補が戦うガチめの選挙だった。
京都で定数1で自民が勝つ、というのは正直予想外の結果。
■大阪府・門真市長選挙
維新が当選
■大阪府・羽曳野市長選挙
維新が当選
■大阪府・羽曳野市議会議員補欠選挙(定数2)
自民と維新が1人ずつ当選
■大阪府・河内長野市議会議員補欠選挙(定数1)
維新が当選
■鹿児島県知事選
鹿児島県知事選挙、川内原発の運転延長反対の樋之口里花さん敗れる「無我夢中でやった」…支援に感謝
自民、公明、国民推薦の候補が当選
■全体評価
まず、大阪では相変わらず維新が非常に強い。そして自民も各地で意外なほど健闘している感じ。
一方で、立憲や共産はこの日の選挙ではほとんど勝てていない模様。
「少なくとも、上記でリストアップした選挙では全滅?ですね」
ま、ステルス支援的なものでは勝っているのも実はあるのかもしれないが、この日の選挙で「立憲or共産」の看板で(公認や推薦で)候補者が勝っているのは、前回記事でも触れた「都議補選9区の内の足立区のみ」かもしれない(他には確認できていない)。
前回記事でも「既に立憲共産党への謎の追い風?などは完全に終わった」と書いたが、あるいは「追い風が終わった」どころではなく、「既に立憲共産に逆風」とすら言えるかもしれない。
それを裏付ける根拠をもう一つ。
政党支持率「特にない」47.2% 自民28.4% 立民5.2% 世論調査
2024年7月8日 NHK
「NHKの最新の世論調査で、立民の支持率が9.5%→5.2%に急減!? ほぼ半減に近いくらいじゃないですか?」
うむ。ちなみに立民だけでなく、れいわ新選組、共産、社民の「極左4党」が、仲良く「支持率減」で足並みを揃えている。
一方で、自民、公明、国民は支持率増。
NHKは報道の中立性はともかく?、世論調査については比較的信頼できるはずで。
この結果は立民サイドにとっては「衝撃」ではないだろうか?
「【蓮舫効果】は既に国政にも全国各地の地方選にも波及している?」
うむ。今や自民党よりもむしろ立憲共産党こそ、【「政党名を隠して偽装するステルス選挙」でないとなかなか勝てない】状況に陥っているやもしれん。
ここまでが「7月7日選挙総括」として。
以下は前回の続きの「勢力毎のざっくり考察」を。
■石丸伸二:勝者
石丸伸二は無党派の新顔ながら都知事選で蓮舫を抜いて2位に入る大健闘。当選こそしていないが、「選挙前よりも評価が高まっている」のは、世間一般の評価としてもそうだろう。
今の日本の政局を左右する「台風の目」的な立ち位置になりつつあるのではないか。
「国政に大きな影響を与える可能性があるのですか?」
うむ。あくまで「可能性」だが。
これまでの日本の国政の構図はざっくり言えば
①自民、公明による「自公勢力」
②立憲、共産、社民、れいわ新選組による「左翼勢力」
の2大グループによる権力闘争で、維新や国民民主党は「是々非々」、みたいな扱いであった。
「ここ数年はそんな感じでしたね」
ところがここに、今後たとえば「石丸新党」が出来たとして、どうなるか。
③石丸新党、維新、国民民主党、の「3党連立」による政権交代を目指す「新勢力」
みたいな「第三勢力」として、②「左翼勢力」とは全く別ベクトルの政権交代の道が視野に入ってくる可能性も、あるいは考えられるのではないか。
「三つ巴の勢力争い?まるで三国志の世界みたいな?」
ま、あくまでも「本人にそうした意思があれば」ではあるが。
いずれにせよ、今回の都知事選の結果、石丸伸二に与えられた選択肢は多岐に渡る。
既に知名度も「完全に全国区」であり、石丸伸二もまた今回の「勝者である」と言えるのではないだろうか。個人的にはやや「危うさ」を感じる部分もないではないが。
■ひまそらあかね:たぶん勝者
この評価については異論もあるかもしれない。
都知事選でのひまそらあかねの得票は11万票強で、全体で7位。少なくとも「小池百合子と当落を争う」レベルの得票では全くなかった。「準有力候補」程度の立ち位置である。
「ま、そりゃそうですよね」
本人はこの結果に満足はしていないようで。
とはいえ、「10万票超え」というのは「思ったよりも得票している」とワイは評価する。
「11万票」というのは東京都では供託金没収レベルだが、そのへんの地方の市長選とかなら「余裕で当選」できるくらいの「結構な得票数」である。
「石丸伸二のいた安芸高田市長選で1位当選した藤本悦志の得票は、僅か6746票ですしね」
そして、大半のオールドメディアには相変わらず無視されている?感じだが、それ以外のメディアでは「準有力候補」として普通に名指しで言及されるレベルの知名度も得ているようで。たとえば以下文春記事など。
三浦瑠麗氏「安野貴博さん、ひまそらあかねさんが何票を獲得するかに注目」
「オタク界隈と縁のなさそうな?三浦瑠麗とかの有名人が、普通にひまそら氏の得票に注目するような時代になってきたのですね」
うむ。
そして東京都だけで11万票超え、ということは、人口比で言えば「日本全国なら100万票超え」も手が届く?レベルであって。
「でも『日本全国』なんて選挙区は存在しないですよね?」
ま、選挙区ではそうだ。しかし比例なら話は変わってくる。
来年7月には国政の参議院選挙がある。
ここでもし、「ひまそらあかね」が何処かの大手国政政党に所属し、参議院(全国)比例候補として出馬すればどうなるか?
たとえば漫画家の「赤松 健」は、2022年に参議院(全国)比例候補として立候補し、「国政初挑戦ながらトップ当選」という快挙を成し遂げている。
「オタク票をだいぶ集めた感じですよね」
ひまそらあかねも、Colabo問題追及等だけでなく、キャンセルカルチャーと戦う姿勢から、いわゆる「オタク票」の集票も大いに期待できる候補であり、この「赤松 健コース」なら上位当選すら夢ではないかも。
「参議院(全国)比例」は、この手の「尖った候補」が国会議員の座を狙うには「最適」と言っていいくらいのスキームになっており、今回の都知事選で知名度を上げ「一定の支持層がある」ことも示した「ひまそらあかね」にはまさにマッチするコース、と考える。
「ひまそら国会議員爆誕?」
ま、これもあくまでも「本人にそうした意思があれば」ではあるが。
そう考えると、ひまそらあかねは既に「泡沫候補」のカテゴリーでは全くなく、国政の大政党が菓子折り持って「是非、うちの党から出馬してください^^」とお願いに来てもおかしくない、くらいの「有力候補」としての潜在力が十分に備わった、と言っていいのかもしれん。