前回記事(その145)に引き続き都知事選2024の考察を。
■蓮舫の「残念な独り相撲」っぷりは見てらんないよ
さて、これまで考察してきた通り、出馬会見で盛大に大失敗した?蓮舫だが、その後もかなり色々とだいぶアレな感じであり。以下記事とかも。
蓮舫氏、公約発表時期を小池百合子都知事と合わせる理由は…「同じもの出されるのはつらい」
「【私が早く出した公約と同じものを出されるのはつらいなと思うところもある】とか『??何いってんだコイツ?』感が凄いわ…」
蓮舫は本当に「とにかく『敵』を設定して『その敵を攻撃する』」というやり方以外の政治手法を一切知らない?ような感じで。
小池知事が「私は現職ですから」といって都議会対応を優先し出馬表明もまだ、という現状、蓮舫は「ワンパターンなナントカの一つ覚え?」の手法が噛み合わず空回りして、寒いコントみたいな悲惨な感じである。
「始めるか、俺の自爆ショーを…」
それと比べて対照的に、落ち着いたトーンの発言でマスコミ記者を軽く手玉に取る小池知事。
「なんというかもはや『役者が違う』感じで」
そんな蓮舫が猛批判していた小池都政だが、「実際のところ小池都政ってどうなの?」と疑問に思っている他府県の人もいるだろう。
今回はそのへんを考察してみたい。
■小池都政の評価
まず、公約達成度合いの客観的な評価は、以前も紹介した以下記事などにもまとめられている。
「七つのゼロ」進展は 待機児童大幅減 介護離職は1.7倍
【都知事選】小池知事は27の公約をいくつ実行したか〈下〉総集編
ワイは東京都民であり、都政の実態や都民からの実際の評価については机上の空論だけなく「肌感覚」としても概ね把握しているつもりである。
なので「都民からの評判」みたいな定性的な部分も含めてざっくり評価をしてみたい。
もう一つ言えば、ワイはColabo問題では明確に「Colabo批判サイド」のスタンスを取っており、そのせいもあって本来、決して小池知事支持者ではない。
そういう人間からの都政評価だと考えていただきたい。
■小池都政1期目(2016~2020)のざっくり評価
小池都政1期目については、周囲は「概ね及第点以上」くらいの高評価をしている都民が多かった、と感じている。
特に「子育て関連の政策(保育所の整備、待機児童減少)」はママさん達には概ねかなり好評で。
都庁で働く女性管理職の割合も小池知事になってから顕著に増えており、意識高い系?の都民の女性達にも小池都政は高く評価されていた印象。
個々の政策については個人的には不満を持つ部分も幾つかあるが、全体的にはワイ個人としても「及第点はつけられる」レベルで。
「それはお前の個人的主観だろうが!むしろ小池都政は1期目から大半の都民が酷評していた!全然ダメだったという声ばかりだったぞ!」
ふぅ。そういう印象論で不毛な空中戦をしても詮無きこと。
では「客観的なデータ」「定量的な数字」で考察してみようか。
具体的には「都知事選での得票数実績」を見てみると。
2016東京都知事選挙
2020東京都知事選挙
都政初挑戦時の2016都知事選の時の小池百合子は291万票強の得票だった。
そして2020都知事選で小池百合子は366万票強も得票している。つまり小池都政1期目を経た後の都知事選では、小池百合子の得票が75万票も増えている。
個人の得票で366万票というのは客観的に他と比較しても「物凄く高い数字」であり、都知事選史上でも歴代2番目の高さの得票数である。これは「大圧勝」としか言いようがない数字。
あの(都知事選連戦連勝の)石原都知事とかでもここまでの得票数を得たことはなかったほどで。
つまり単に「選挙は現職の方が有利だから」みたいな理由だけで穫れる(上積みできる)レベルの生半可な得票では全くない、極めて高水準の得票だった、ということ。
「小池都政は1期目から大半の都民が酷評していた!」みたいな話がもし万が一、真実だったなら、2020都知事選は決してこんな結果にはならなかったはずで。
あるいは、「この時は他の候補者が小粒だったから~」みたいなイチャモンをつける者もいるのかもしれない。
しかし2020の時も宇都宮健児や山本太郎などが出馬している。宇都宮健児は2014都知事選で善戦して細川護熙を上回る2位の得票を得ていた有力候補。山本太郎も国政で選挙区当選できるレベルの集票力と高い知名度を持つ政治家であり。
2016等他の知事選と比較しても「2020だけ特にライバル候補が雑魚ばかりだった」とは言えまい。
2020都知事選で他のライバル候補にやや雑魚っぽい雰囲気が漂っていた?のは、ひとえに「この時の小池百合子の都民からの支持が圧倒的だった」、故の結果と考えられる。
いずれにせよ2020都知事選の結果を見る限り、「小池都政1期目への都民からの評価は概ね高く、十分に及第点以上の評価を得ていた」というのが定量データからも裏付けられた真実。
それが冷静な(客観的な)第三者評価ではないだろうか。
■小池都政2期目(2020~2024)のざっくり評価
小池都政2期目の客観的な評価はなかなか難しい部分がある。
「何故、2期目の客観的な評価が難しいのでしょうか?」
最大の要因はズバリ「コロナ禍」という特殊事情の影響である。2期目はモロにこの影響を受けた時期であって。
コロナ禍で日本中の経済活動が大きく制限され、当該時期は必然的に経済がシュリンクしていた。
しかも、東京都は元々日本で最も「深夜時間帯の経済活動」が活発だった、と言っていい自治体であり。
「新宿とか渋谷とかの繁華街は、元々『不夜城』みたいな要素が大きいですよね」
つまりコロナ禍の「深夜営業禁止」等の経済へのマイナス影響を、東京都が最も大きく直撃で受けてしまうのはもはや「必然」であって。
そうした影響のせいか、都政の数字的な指標を見ると、2期目の時期は「以前より悪化した部分」もそこそこあるようで。
「アンチ」の人々からすれば、そうした部分だけ取り上げて「ほら、小池都知事になってから都政はこんなに悪化した!小池の無能は数字でも明確に証明されている!」みたいな一見もっともらしい批判?は、ある程度できるのかもしれない。
ただ、そうした「一見もっともらしい批判?」は、上記事情を考えれば必ずしも、妥当でもフェアでも客観的でもないだろう。
「むむむ」
「公約の達成度」についても同じことが言える。
コロナ禍の時期は「コロナ対策」「医療関係へのテコ入れ・フォロー」「悲鳴を挙げている飲食店等中小企業の救済」や、収束時期における「経済活性化へのテコ入れ」みたいな「コロナ禍ならでは」の部分を最優先にすべき事情が当然にあった訳で。
限られた人的資源や金を何に投入するか?と考えた際、それら以外の元々の公約達成については優先度を下げる(後回しにする)のはやむを得ない妥当な判断、という部分も当然あるだろう。
「外部環境の急変に対する、臨機応変且つ的確な優先順位付けの組み換えも、リーダーに求められる資質の一つですね」
うむ。「コロナ禍」自体が当時は完全に未知のファクターであり、皆が試行錯誤しながら対策せざるを得なかった部分が大きいので、2020都知事選での公約にしても「全てコロナ対策を当初から考慮して計画・公約に盛り込む」みたいなのが到底無理だったのもやむを得ないところであり。
そうした特殊事情を一切考慮しないままの「この公約は全然達成できてない=小池知事は全く努力不足or無能!」みたいな浅慮?なレッテル貼りは、妥当性が著しく欠落していたりするものも一部に散見されるようで。
「なるほど。確かにそれは客観的な評価が難しいですね」
ただし、「コロナのせいで~」という擁護が全く適切でない「未達成公約」が一つは明確にある。
それは「海苔弁廃止(情報公開)」の公約。
小池都政1期目ではこの公約にも結構真面目に取り組んでいたように思うが、2期目では「全くダメ。むしろ後退」というくらいのお粗末な酷い状況になってしまった。
これはコロナの影響とか全く関係ない公約であり、Colaboらの団体と若干癒着気味だった都民ファーストの会や知事らが「そうした団体への悪しき配慮」で公約不履行の道に突き進んだだけであろう。
故に小池都政2期目の「海苔弁廃止」部分の公約達成度は「0点。むしろマイナス」という酷評こそがふさわしい。この点に同情や擁護のできる余地は全く見当たらない。論外である。
「手厳しいですね><」
「では全体としても1期目よりは評価は下がる?」
そのへんは微妙なところで。
公約達成度とはあまり関係ないが、実は「コロナ対策」自体については、小池知事はかなりのリーダーシップを発揮して貢献していた。
感染者数等の毎日の積極的な情報公開とか密対策とかの具体策を次々と提案し、都民の不安を解消しつつコロナの被害拡散を抑える、みたいな部分について、先手先手で概ね的確に対策していった訳で。
「コロナ対策で国や全国自治体のお手本となり指針を示す」みたいな部分で、小池知事の貢献度は全国でもトップクラスに大きかったのではないだろうか。
海苔弁公約の未達成などもあり、コロナ禍の影響もあり、都政全体としては1期目よりはやや評価は下がりそう。
ただしコロナ対策での小池知事のリーダーシップなどを考慮すれば、総合では大きな評価低下にはならない、というくらいが実感だろうか。
前述の通り定量データでの2期目の客観的な評価は現状難しいが、今年の4月の世論調査でも小池知事の支持率は5割を超えていたようなので、その実感とは概ね一致している。
「少なくとも、全体として『全然ダメ。小池都政はもう全部リセット必要!』みたいな酷い都政なんかでは全くなかった、とは間違いなく言えそうですね」
く、悔しい!でも幹事長…!