初代PS用の、もう20年も前のレトロゲームだが、「SDガンダム GジェネレーションF」

について今更だが少し記事を書いてみようと思う。
自分なりの考察とか検証結果とか。


■戦艦のブリッジクルーのドライバー(操舵士)に必要な能力は何か?
ネット上のサイトを見ると「回避値」「NTL(ニュータイプレベル)」「操舵能力」の3つが必要、

と書かれているケースが多い模様。

http://castleinmud.web.fc2.com/etc/ggenerationf.html
のディライア・クロウやパティ・ソープの考察を見ても「ドライバーとしては回避値が
低すぎるので…」と書かれ、サエン・コジマの考察でも
「ドライバーに必要な能力(回避、NTL、操舵)を全て兼ね備えており…」
という記載。

https://seesaawiki.jp/w/oregene172/d/%a5%b5%a5%a8%a5%f3%a1%a6%a5%b3%a5%b8%a5%de
のサエン・コジマの頁でも
「戦艦の回避能力はドライバーの操舵力、回避力に更にNTLの補正がかかるため…」
という記載。

いずれも「戦艦の回避性能を高めるには、ドライバーには回避値のパラメータの高さも
要求される」的な記述になっている。

尚、上記2つのサイトは有用な情報が多い(GジェネF関連では)比較的ポピュラーなサイト
と考えられ、私なんぞより遥かに影響力のある、有力サイトなのは間違いない。
私もお世話になっており、各種情報には大変感謝している。
ただ、「データ」優先の私としては、この点を念の為に実際に数字で検証して確かめたい。

検証理由は、この点の検証結果次第で「オリキャラの有用な配置考察・育成考察」が
変わってくる可能性があるので。
検証条件は以下とする。
++++++++++
シナリオ:逆襲のシャア2話(オープニング戦闘後のオペレーションルームでセーブし、
直後の本編戦闘で検証)
戦艦:スクイード
艦長:レンタル兵(NT)
ゲスト:ギギ・アンダルシア(レンタル)
ドライバーは以下のように適宜変更
その他のブリッジクルーは配置なし
艦載機:なし
本編戦闘開始したら1T目に自軍本拠地から上記スクイードを出撃させ北に全力移動して
フェイズ終了。そのTの裏で敵の攻撃を受けた際の命中率で検証。
艦長のテンションは普通状態のみでの検証。
++++++++++
ここまで共通(グループレベル7)として、ドライバーに配置する人材を変えてみて、
敵の攻撃の命中率の変化を検証

①ドライバー配置なし(無人)
:ギュネイのファンネル→94%、回避で65%(2回目92%、回避で64%)
 レズンのビーム・ソード・アックス→86%、回避で60%
 一般兵ギラ・ドーガのビーム・マシンガン→65%、回避で46%

②レンタル兵(曹長):格闘値9、回避値9、操舵能力2、NTL0:
:ギュネイのファンネル→91%、回避で63%(2回目93%、回避で65%)
 レズンのビーム・ソード・アックス→85%、回避で59%
 一般兵ギラ・ドーガのビーム・マシンガン→67%、回避で47%

③メリーベル・ガジット(レンタル):格闘値18、回避値16、操舵能力2、NTL0
:ギュネイのファンネル→89%、回避で62%(2回目85%、回避で59%)
 レズンのビーム・ソード・アックス→85%、回避で59%
 一般兵ギラ・ドーガのビーム・マシンガン→67%、回避で47%

④ニール・ザム(加入直後):格闘値10、回避値10、操舵能力2、NTL0
:ギュネイのファンネル→83%、回避で62%
 レズンのビーム・ソード・アックス→85%、回避で59%
 一般兵ギラ・ドーガのビーム・マシンガン→67%、回避で47%

⑤ニール・ザム(FIFでカスタマイズ):格闘値10、回避値10、操舵能力15、NTL0
:ギュネイのファンネル→82%、回避で57%(2回目80%、回避で56%)
 レズンのビーム・ソード・アックス→90%、回避で63%
 一般兵ギラ・ドーガのビーム・マシンガン→58%、回避で40%

⑥ニール・ザム(NT):格闘値10、回避値10、操舵能力15、NTL2
:ギュネイのファンネル→90%、回避で62%
 レズンのビーム・ソード・アックス→86%、回避で60%
 一般兵ギラ・ドーガのビーム・マシンガン→52%、回避で37%

⑦ニール・ザム(FIFでカスタマイズ):格闘値99、回避値99、操舵能力15、NTL0
:ギュネイのファンネル→73%、回避で51%(2回目86%、回避で60%)
 レズンのビーム・ソード・アックス→90%、回避で63%
 一般兵ギラ・ドーガのビーム・マシンガン→58%、回避で40%

⑧ニール・ザム(NT):格闘値99、回避値99、操舵能力15、NTL5
:ギュネイのファンネル→66%回避で46%
 レズンのビーム・ソード・アックス→80%、回避で56%
 一般兵ギラ・ドーガのビーム・マシンガン→44%、回避で31%

⑨ケイ・ニムロッド(NT):格闘値99、回避値99、操舵能力15、NTL8
:ギュネイのファンネル→60%、回避で42%(2回目80%、回避で56%)
 レズンのビーム・ソード・アックス→74%、回避で52%
 一般兵ギラ・ドーガのビーム・マシンガン→36%、回避で25%

※「FIF」というのは、「GジェネレーションF.IF」というソフトの事。

 GジェネFのパワーアップキット的なソフトで、キャピタル(ゲーム内通貨)を消費して

 能力値のカスタマイズやオリキャラのNT化などが可能。



【検証結果】
・敵のサイコミュ兵器の表示命中率は、同条件(要員やテンション等全く同じ)でも変動する
 (表示命中率の数字自体にランダムで変動する要素がある)。
 敵の格闘攻撃や射撃攻撃に対してはそのランダム性はなく、同条件なら表示命中率は
 常に一定だった。
・ドライバーの操舵能力が2程度に低い場合、敵の射撃攻撃に対しては配置無しの方が
 回避性能は向上した。
 敵の格闘攻撃に対しては、操舵能力2でも配置無しよりはドライバー配置有の方が
 回避性能は向上した。(①~④)。
・他の条件が同じなら、ドライバーの操舵能力が2→15に上がると、
 敵の射撃攻撃に対しては回避性能が顕著に向上(9%の差)した。しかし、
 敵の格闘攻撃に対しては回避性能が低下(5%の差)した。(④と⑤)
・他の条件が同じなら、ドライバーのNTLが0→2に上がると、敵の射撃攻撃に対しては
 回避性能が向上(6%の差)した。
 敵の格闘攻撃に対しても回避性能が向上(4%の差)した。
・他の条件が同じなら、ドライバーのNTLが0→5に上がると、敵の射撃攻撃に対しては
 回避性能が向上(14%の差)した。
 敵の格闘攻撃に対しても回避性能が向上(10%の差)した。
・他の条件が同じなら、ドライバーのNTLが0→8に上がると、敵の射撃攻撃に対しては
 回避性能が向上(22%の差)した。
 敵の格闘攻撃に対しても回避性能が向上(16%の差)した。


【結論】
・ドライバーの操舵能力が上昇すると、敵の射撃攻撃に対しては「操舵能力の差*0.692」%
 程度、戦艦の回避性能が向上する。
・ドライバーの操舵能力が上昇すると、敵の格闘攻撃に対しては「操舵能力の差*0.385」%
 程度、戦艦の回避性能が低下する。
・ドライバーのNTLにより、敵の射撃攻撃に対しては「NTL*2.75」%程度、戦艦の回避性能が
 向上する。
・ドライバーのNTLにより、敵の格闘攻撃に対しては「NTL*2」%程度、戦艦の回避性能が
 向上する。
・ドライバーの格闘値や回避値がいくら上昇しても(99まで上げても)、戦艦の回避性能の
 向上は特に見られなかった。

【総評】
謎なのが結論の2つ目。「ドライバーの操舵能力が上昇すると、敵の格闘攻撃に対しては
むしろ戦艦の回避性能が低下する」という仕様は、かなり不自然に思える。
おそらくは制作側が想定した仕様ではなく、プログラム実装時に誤った計算式で実装した
「ミス」だと推察される。が、理由がどうあれ製品上はそんな仕様で命中率が
計算されているということ。

このせいで、GジェネFで「ドライバーに最も必要な能力」は、実はNTLだということが判明。
ドライバーの操舵能力を頑張って上げてもさほど射撃への戦艦の回避性能は上がらず
(13も上げても命中率の差は9%)、しかも操舵能力を上げる事で格闘攻撃に対する
回避性能はむしろ低下してしまう(13上げると命中率の差は5%)という事実。
一方で、ドライバーのNTLを8上げただけで、格闘に対しても16%、射撃に対しては22%も
回避性能が向上する(敵の命中率が低下する)。
そして、ドライバーには回避値(や格闘値)は要求されない。


私は発売当時(2000年)からGジェネFをプレイしているので、GジェネFプレイ歴は
(ブランクがあれど)既に20年ほどになるが、20年目で初めて知った衝撃の事実。
まさに目から鱗である。検証はしてみるものだ。

なので、「NTLは非常に高いが他の能力は全然ダメ」というイワンのようなキャラこそ、
ドライバーに向いていると言えるだろう。
ドライバー自身の回避値はいくら低くても無関係なので、NTL7にできるディライア・クロウや
パティ・ソープあたりもドライバー向きと言える。

逆に「操舵能力も回避値も優秀」という理由で「ドライバー適正が抜群」的な扱いをされがち
だったサエン・コジマは、NTLが6までしか上がらないので最終的には上記3名よりドライバー
の資質が劣ると言える。ビリー・ブレイズも同様で、回避値がいくら高かろうがドライバー

適性には無関係、NTLが5までしか上がらないのでドライバーではサエン以下、と言える。

彼らの回避値の高さを活かしたいならパイロット等だろう。

操舵能力については、メリット(射撃に対する回避性能向上幅)の方がデメリット
(格闘に対する回避性能低下幅)の1.8倍程度ありそうなので、一応は
「ドライバーの操舵能力は、どちらかと言えば高い方が良い」と概ね言えそう。
ただ、序盤の人手不足の時期に、貴重な人手を割いてオールドタイプの(NTL0の)
ドライバーを配置するくらいなら、「ドライバー未配置」でもあまり問題ない
(それで戦艦の回避性能に大差は出ない)、とは言えるし、NTLさえ高ければ、
ドライバーの操舵能力は15に達しなくても深刻な問題ではないと考えられる。

尚、敵のサイコミュ兵器の命中率に対するドライバーの影響は、同条件でも表示命中率が
変動するので検証できていない。
ただ、⑨の検証ケースでドライバーの回避値99、操舵能力15、NTL8でも命中率80%などが
出ているので、少なくとも「ドライバーの回避値は戦艦の回避性能に無関係」とは言えそう。